2007-01-01から1年間の記事一覧
「もっとおかあさんみたいにいってくれ」的なシーンがあって、そこだけが唯一面白かったです。 本当にデジタルの力があれば何でも出来るんだな、と小学生なみの感心仕方をすることがあっても、それが映画としての興奮につながらないというのは、この監督は本…
こういう渋い佳作が増えるといいのに、と思う。残念ながら映画館では見逃してしまったけど・・・ まず派手すぎないアクションがいい。ひょっとしたら現実に起こりうるという範囲で構成されていて、そうでありながら緊張感が途切れない。脚本の勝利だと思う。…
あまり広告としての評判が芳しくないという「DoCoMo2.0」。オシャレで奇抜という所謂エッジな雰囲気を売りにしてきたTUGBOAT(というか多田琢?)制作の広告だけど、かなり自己模倣の感がある。浅野忠信起用というのにそれが端的に表れているような・…
主人公の設定が自分の年齢とごく近いこともあって、車に乗っているときは楽しみに聞いているラジオ番組『あ、安部礼司』。その中に刈谷勇という濃いというかウザイ登場人物がいて、あまりにスットンキョウな声なので声優は誰なのかと調べたら杉崎真宏だった…
醒めた後ではなんのこっちゃって話なのに、不思議と見ている間は筋が通っているように感じる。そういう「夢の論理」というものの存在は、誰もが実感するところだと思うのだけど、この映画の前半は正に「夢の論理」で成り立っている。なんなら最後までそれで…
前回までの「新感覚☆キーワードで英会話」シリーズはあまりピンとこなかった(あと演出が鬱陶しかった)のだけど、「新感覚・わかる使える英文法」は英語の勉強を離れた社会人にとって「ためになる」度合いがちょうどいい按配。なのでよく見るようになった。…
Wiiのみんなで投票チャンネルの結果ってマーケ的に利用・転売されないのかしらん。Wii持ってないので回答項目の雰囲気すら分からないのだけど。そういう話には脊髄反射的に構えてしまうなぁ。
あえて気になったことから。高瀬くんの扱いが可哀相すぎた。あれだけ追い詰められたらそりゃキレるだろうし、「俺は悪くねぇよ!」と叫ぶのももっともだと思ったのですが、ネットの感想なんかを見ていると賛否ともにほとんど彼に触れているものがない。なん…
139分は長すぎる。この映画に限らず、娯楽作品だったら1時間50分くらいでまとめてほしいです。あとやっぱりキャラクターの心変わりが唐突な印象を受けますね。終盤の展開は燃えるけど・・・ それとキルステン・ダンストもアレですが、ブライス・ダラス…
原作小説はウェルメイドな落としどころを志向する、極めてドメスティックな人情話だった。(小林信彦に近い感触。)だから奇矯な人物として造型されている伊良部医師ではあるが、その枠組みを逸脱することは決してない。 というところで、どちらかというとシ…
最近「新訳版」がブームだけど、そのせいで旧訳が消滅してしまうのはちょっと寂しいと思う。というのは、所謂「翻訳文体」の固さが好きだから。それと、時代がかった言い回しを全部現代風の口語に移し替えるのが全くの正解とは思えないので。 ということを考…
訳者あとがきにあるように、村上春樹の影響を強く感じる作風。要はハードボイルド(翻訳文体込み)的方法論でちょっと不条理な日常を描くというもの。 ただ、似ているようで決定的に違うのは、村上作品が平和ボケして気付かれない日本の社会システムそのもの…
BoAのFASIOのCMは女性というより我々世代(30代〜の男)に対してボールを投げているのだと思う。ザ・ベスト・コマーシャル。
ヤン・ラングレンのジャズトリオ初リーダー作。実は随分前にワゴンセールで偶然手にして、聞いてみたらあまりに素晴らしかった、というアルバムです。(これだからワゴンセールも侮れない。)ネットで調べてみたら、実は知る人ぞ知る名盤でした。僕はあまり…
いつものように、これまたうかつな話なのですが。『蠅』という最高に怖い小説がある、というのは以前から怪奇小説の基礎知識としては知っていて、てっきりクラシックな奇談だと思ってたら『ザ・フライ』というか『蠅男の恐怖』の原作だったのですね。しかも…
緩慢な終末を著者独特のリリカルな筆致で描いた表題作「最後のウィネベーゴ」は深い余韻を残す名作。さすがにヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞ほか5冠に輝いただけのことはあると納得。 けれどもロマンティックコメディ好きの自分としては、ウィリス自…
黒田作品初の実写化ということでどうなることかとドキドキしてたのですが、存外大丈夫だったのでよかった、よかった。よかったといえば、ニコ役の大後寿々花が動いているのを見たらスチルの100倍よかった。塚本晋也のお父さん役もなんだか得した気分。 残…
端的にいうと『ビッグ』の焼き直し。ただ反面教師としてこれほど都合のよい見本もない、というくらい無残な出来。アメリカではそこそこヒットしてたはずなのになぁ・・・ イノセントな主人公に触れたことで、周囲の人々が「大人の都合」という軛から開放され…
『イリュージョンVS』から原題に戻したんですね。やっぱり評判が悪かったのかな。原作ファンも取り込もうというのだったら『プレステージ』が正解でしょうね。前に書いた感想はコチラhttp://d.hatena.ne.jp/cinemac/20070220
想像していたよりも下品でバカバカしかった(いい意味で)。メル・ブルックスのコメディは「うーん・・・」となってしまうこともあるけれど、これはかなり磐石なつくり(68年のオリジナルは未見)。作詞・作曲もメル・ブルックスっていうのがすごい。最後…
しかし、しっかり楽しんだにもかかわらず感じる一抹の物足りなさ。実は同じような物足りなさというのを『亡国のイージス』の読後にも感じて、そのせいなのか(作風は違うけれど)作家としての立ち位置は福井晴敏に似ているような気がしました。つまりサンプ…
想像していた以上にちょっと子供っぽかった(特に1巻あたり)。ただ噂のカジノシーンはさすがに読ませる。(007の『カジノ・ロワイヤル』もこれぐらい緻密な駆け引きの描写だったらよかったのにね、と思ったことでしたよ。)SFというより、なんとなく…
エルモア・レナード原作にハズレなし。映画化作品がこれだけ粒ぞろいな作家も珍しいのではないか。最近のものでは『ビッグ・バウンス』もよかった。 ところでトーンも音楽も『アウト・オブ・サイト』(こちらも最近再見)はかなりこの映画に似てた。製作がソ…
虚弱だけど芯は強いところのある主人公、物静かで優しいけれど過去の傷が未だ癒えない姉、そんな姉に付きまとう奇天烈な格好の胡散臭い占い師、勝気な(ツンデレ)女友達、奇矯なアンドロイド(かどうかは知らんけど)のメイド。 というキャラ造型の要素だけ…
ひどい恋の終わりを迎えたロスとロンドン郊外に住む2人の女性。リセットするため思い切り環境を変えたいと考えた彼女たちは、ネットのホームエクスチェンジ・サービスで2週間家を交換することに・・・ 一組のカップルだけだと、何かしら波乱を起こさないと…
『マーダー・ライド・ショー』の続編。ただ監督が「続編ではない」とコメントしているように、テイストは大きく異なる。今回は70年代のニューシネマへのオマージュ。 思い入れに技術が負けていないというか、堂々とした一種の風格さえある。ただ前作にあっ…
つまるところ、ベッソンはジャッキー映画を作りたいのだな、と。(前作を見たときも思ったけど。) 消火ホースを振り回す一連のアクションを見ながら、地元では『ペンギンズ・メモリー 幸福物語』と2本立てだった(すごい2本立てやな・・・)『プロテクタ…
青春ハードボイルド、ニールシリーズの5作目にして最終巻。 残念ながら消化試合的な雰囲気。(実際この作品を最後に出版契約を別会社に移している。)今度映画化される移籍後1作目の『ボビーZの気怠く優雅な人生』が勢いのある作品だったことを思い返すに…
コメディは大雑把に分けて、ディテールから詰めていってクスリとさせるタイプと、ゴリゴリ力押しに笑わせるタイプがあると思うのだけど、この作品には両方の要素がバランスよく配分されていたように思う。脚本家は腕があるなと感心することしきり。ウェルメ…
『太陽の塔』の感想でも書いたけれど、夏目漱石的の偽(戯)古典口語体スタイル(低徊趣味?)というのは作者の基本文体になっているみたいですね。(『きつねのはなし』は違うのかな?) 今回は学園祭が舞台のエピソードがあったり、ヒロインの所謂「萌えキ…