2007-01-01から1年間の記事一覧

今月のうっかり

カート・ヴォネガット、今年4月に亡くなっていたのか。SFマガジンの今月号が追悼特集だったので初めて知った。著名人の寄稿のうち、やっぱりというところでは爆笑問題の太田によるものがあった。 彼の書く文章は、良くも悪くも青臭いところがあって(市場…

レミーのおいしいレストラン(ブラッド・バード)

ちょっとだけネタバレ風で。 ウェルメイドな作風できこえたブラッド・バードであるが、今回はおとしどころを見誤った印象だった。企画としては、ネズミとレストランという相性の悪いものをぶつけた時に生まれるサプライズを狙っていたと思しいが、アイディア…

ベルヴィル・ランデブー(シルヴァン・ショメ)

ベルヴィルって書くならランデヴーだろ!という突っ込みはさておき、美しい悪夢としかいいようがない独特の世界観。素晴らしすぎる。『ロスト・チルドレン』を初めて観たときのようないわくいい難い感覚に襲われました。 あらすじから予想していた「心温まる…

泣かない女はいない(長嶋有)

「何かが終わる時」は、映画みたいなフィクションと違って明確なものじゃなく、グズグズとやってくるものだ。という当たり前のことを、微妙なさじ加減ですくい上げる、その繊細な描写にグッとくる。同じようなタイプの作家として吉田修一を連想した人も多い…

シェルブールの雨傘(ヤン・ラングレン)

『conclusion』の次に聞いたのが、映画音楽のカヴァーであるこのアルバム。本当は知っている曲ばかりだから入り込みやすいはずなんだけど、ふたを開けてみるとやや物足りなかった・・・ 思うに、取り上げている曲が殆どみなジャズベースの作品ばかりだから、…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(デヴィッド・イェーツ)

どうも、意地悪なおばさんの家に監禁、ガキ大将にいじめられる、みたいな「ドラえもん」的世界観とシリーズが志向するシリアスな展開との齟齬が見過ごせないほど大きくなってきた印象。だからおふざけエピソードは思い切ってカットして尺を縮めてほしい(長…

ロード・オブ・イリュージョン(クライヴ・バーカー)

「本物の魔術師」ニックス率いるカルト教団と決別するため彼を殺し、今ではイリュージョニストとしての名声を欲しいままにしているスワン。しかしある奇術の実演の際、誤って自らを殺してしまう。事故ではないはずと疑い、オカルト専門の私立探偵ハリーに捜…

今日の市原さん

初めて、しかも偶然『家政婦は見た』を見てしまった。チャンネルを変えることを許さない、異様なドラマのテンションの高さのせいで。(とか言いながら、ネットがてらの「ながら視聴」だったけど。) 浅野温子の針の振り切れ具合に、本当に浅野温子なのか一瞬…

カポーティ(ベネット・ミラー)

フィリップ・シーモア・ホフマンさすがに上手いなあ。しかし『冷血』犯人役クリフトン・コリンズJr.ももっと評価されて然るべきではなかろうか。という気分にはなりましたが、肝心の映画そのものは普通だったかな。小説の核心である「なにか」を掴むため…

地獄の変異(ブルース・ハント)

なんだか最近、中規模〜そこそこ大規模なバジェットのSF・ホラー映画のクリーチャーデザインには、みんなパトリック・タトポロスが噛んでいるような気がする。彼の出番がないような映画にまでプロダクション・デザインとしてクレジットされてたりするし。…

石川淳短篇小説選

ものすごく近視眼的感想ですが、女の登場人物の造型がやけにエロい。主人公の一人称的な視点(語り)の設定が多いので、ということは主人公の視線こそがそうなのかもしれない。しかし、それをさておいてもむせ返るような生々しさで、個人的にはトゥーマッチ…

ダイ・ハード(ジョン・マクティアナン)

というわけで、見直してみました。結局ジョン・マクティアナンという監督はこれと『プレデター』の人ということになりそうですね。まあ2本も名作があれば充分かな。 この映画を語る時、伏線の上手さ(発砲恐怖症だったパウエルの最後の一撃とか、タカギ支社…

ダイ・ハード4.0(レン・ワイズマン)

ダイ・ハードじゃなくて、アンブレイカブルの続編かと思ったよ・・・ しかし回を重ねるたび、どうしてもマクレーンじゃないと、という必然性が苦しくなってきてる。トンチで危機を切り抜ける快感にも乏しい。そういえばジョエル・シルヴァーはもう噛んでない…

プロの仕事に恐れ入る

以前購入したオールデンのチャッカブーツ。僕は靴先のほうが擦り切れやすい歩き方の癖があるようで、さっそくいつものように削れ始めました。ので、取り返しがつかなくなる前にリペアへ(靴先のみラバー)。 いつもだったら某チェーン店に出すのだけど、この…

今回のバーゲンゲット商品:チーニーのモンクストラップ。黒。ダイナイトソール仕様。

理由:黒靴が6年経ってくたびれてきたので。思うんだけど、よっぽどの靴道楽の人じゃない限り、価格帯はこれぐらいが現実的な選択なのではないか。というかもったいなくて、ジョン・ロブとか仕事で履けない(持ってないけどね)。 ダイナイトソールというの…

トマス・モアの大冒険―パスト・マスター(R・A・ラファティ)

そういえば『人類補完機構』と並んでエヴァンゲリオンの元ネタって言われてなかったっけ・・・ 実際読んでみてさもありなんという感じだった。ラファティではおなじみの所謂「秘密結社」ネタ。ただコードウェイナー・スミスほど視線が冷徹ではない。 もうち…

ナイロビの蜂(フェルナンド・メイレレス)

アフリカを食い物にする製薬会社の不正と陰謀、という舞台設定にされたら、主人公とその妻の在りようがあまりにも「正論」すぎて異論を差し挟む余地がないのだけど、『イングリッシュ・ペイシェント』とか『シェルタリング・スカイ』に通じるようなエキゾ趣…

イン・グッド・カンパニー(ポール・ウェイツ)

大好きな『アバウト・ア・ボーイ』以来ご無沙汰だった監督の日本劇場未公開作品。 スポーツ雑誌の営業部門の重役を務めるサラリーマン、ダン(51歳)。彼の会社はある日突然、大手企業に買収されてしまう。そこへ親会社から乗り込んできたのが、26歳のカ…

黒大王

うーん、別に黒田漫画じゃなくてもよかったんじゃないの?いや、実際のとこ、本当にそうなんだと思うけど。 TV版「セクシーボイスアンドロボ」は、どのエピソードも結局最後には人情話・浪花節でまとめる感じで、原作の「面白おかしい表層のすぐ裏は闇」と…

狼の一族(V.A)若島正:編

異色作家短編集の最後を飾るアンソロジー3冊中の2冊目までを読んだわけですが、うーん今回のアメリカ篇は「こういう機会でないと読めないレア作家」が比較的乏しく、かつ「埋もれていた名作感」もあまりなかったので(まあ未訳作品でのアンソロジー、とい…

ゾディアック(デビッド・フィンチャー)

この映画、「猟奇殺人もの」ではなくて「新聞社もの」の変奏だったのね。(ネタバレしてるかもしれないので、観てない方は気をつけてください。) 監督自ら公言しているように『大統領の陰謀』をかなり参照している跡あり。これといった事件が起こらない時間…

マッチポイント(ウディ・アレン)

「古典的な題材がクラシックで重厚なスタイルのカメラに映える。映画作家アレンの円熟というにふさわしい作品」という評判だったけど、まさにその評判が全てを言い表していた。「言い訳芸」やニヒリスティックな視線も相変わらず。アレン自身が登場しなくて…

「誰かが」あなたの行為に迷惑していますは「any one」と訳すべきでは?(前回のやつ)ということが気になってた

ユナイテッドシネマのマナー広告は、それ自体がストレスフルなので即刻止めていただきたい。

300 スリーハンドレッド(ザック・スナイダー)

恐ろしくタカ派で、かつ恐ろしく不道徳な映画。 噂どおり、画づらのコントロールは完璧。なんだけど、テーマに気持ちの余裕がない分、「おもしろ」成分も不足しているように感じられて、コミックのまんま映画化の試みとしては『シン・シティ』の方に軍配を上…

棄ててきた女(V.A)若島正:編

「異色作家短篇集」の英国編。時期もテイストもばらばらの作家陣を「異色」のくくりで編んだアンソロジー。こういう方針の短篇集は一度も読んだことのない作家に出会えるから嬉しい。 さて今回の個人的な収穫で、収録作中一番よかったのはL・P・ハートリー『…

ひとりっ子(グレッグ・イーガン)

『祈りの海』『しあわせの理由』までは短編集として収録内容のバランスがよかったのか、それともイーガンの作風の最近の傾向が表れているのか・・・ 「○○という技術が確立した時、世界はどう見えるのか?」という切り口は、そもそもSFというジャンルそのも…

ザ・シューター 極大射程(アントワン・フークワ)

キアヌ主演で映画化進行中、のニュースが届いてから幾年月・・・ようやく完成した作品は? 派手さはないがツボを心得たアクション、臨機応変さで絶体絶命の難所を潜り抜ける主人公、なかなか渋いセンスの映画だなぁと感心しているとデジャヴな印象が・・・『…

ドゥーム(アンジェイ・バートコウィアク)

『ロミオ・マスト・ダイ』『DENGEKI(電撃)』の監督による、ザ・ロック主演の映画というところで大体想像がついてしまうところだけど、しかもゲーム原作なんだけど、ジャストそういう映画でした。 ただ、メジャーな人があまり出ていないというのを逆…

鼻毛カッター<毛くず吸引式> ER430P

あると便利そうだけど、ちょっとだけ値段が高くて二の足を踏んでしまう。でもいざ買ってみると劇的に便利で、何でもっと早く買わなかったんだろう!!ってなることがありますよね。そういうアイテムの、僕の最近の購入例であります。(実はGWに実家に帰っ…

ルイージ

山咲トオルとオーランド・ブルームは似ている