サイレントヒル(クリストフ・ガンズ)

 醒めた後ではなんのこっちゃって話なのに、不思議と見ている間は筋が通っているように感じる。そういう「夢の論理」というものの存在は、誰もが実感するところだと思うのだけど、この映画の前半は正に「夢の論理」で成り立っている。なんなら最後までそれで通してもらっても差し支えないほど「悪夢的イメージ」の演出が上手い作品。ですが、ちゃんと最後のあたりで「解説」してくれるので、カッチリした映画をお求めの向きにも安心。お代の分は楽しませます、というのはこの監督のいい意味での職人気質だと思う。(「クライング・フリーマン」を久しぶりに見てみたくなった。マーク・ダカスコスは結局ヴァンダムにすらなれなかったね・・・)
 加えて、ちゃんと原作のゲームの要素を拾ってきて、なおかつ物語にも活かすというリスペクトぶりが嬉しい。『バイオハザード』ですら(面白かったけど)原作とは別物に近くなってたもんね。あの雰囲気を映画の画面のクオリティで再現しきったプロダクション・デザイナーの仕事ぶりも素晴らしい。持論ですが、よきホラーというのは「よきプロダクション・デザイン」あってのものだと思う。『イベント・ホライゾン』しかり、もちろん『悪魔のいけにえ』も伝説足りえたのはあの骨アートあってのことでしょう(だからリメイクは今ひとつだったんだよね・・・)。
☆☆☆☆