こういう渋い佳作が増えるといいのに、と思う。残念ながら映画館では見逃してしまったけど・・・
まず派手すぎないアクションがいい。ひょっとしたら現実に起こりうるという範囲で構成されていて、そうでありながら緊張感が途切れない。脚本の勝利だと思う。それと105分という上映時間の短さが潔くていい。本来ならこれぐらいの尺で語りきれるはずなのに、最近長すぎるんだもん。
ところでデヴィッド・モースのフィルモグラフィーは「黒と白の倫理的な狭間で綱渡りするような人生をある瞬間決定的に踏み外して、それ以来引き返せなくなっているのは自覚しているのに自分を欺き続けている敵役」でびっしり埋まってるけど、今回もそんな役。タイプキャストで全然意外性がない。正直またかぁ・・・と思った。が、なぜか監督やプロデューサーなど製作サイドには絶賛されることが多くて(コメンタリーなどで)、「彼のおかげでこの作品が引き締まったよ」みたいなコメントに触れるたび、俺は彼の実力をまだ本当には理解していないのかもしれない、と思う。(もちろん上手い役者さんですが。)普通の顔して登場しても、何か腹に一物ありそうな雰囲気だからなあ。純粋に普通の役がもっと見てみたい。
そうそう、エンドクレジットでリチャード・ドナーが監督だったことを思い出して、まだまだやるなーと嬉しかったことも付け加えておきます。
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