シェルブールの雨傘(ヤン・ラングレン)

 『conclusion』の次に聞いたのが、映画音楽のカヴァーであるこのアルバム。本当は知っている曲ばかりだから入り込みやすいはずなんだけど、ふたを開けてみるとやや物足りなかった・・・
 思うに、取り上げている曲が殆どみなジャズベースの作品ばかりだから、新鮮さに乏しかったような。ジャズのマナーで演奏するとこんな風に聞こえるのか!という発見が欲しかったのだな、と気付く。結局、個性を出そうとするとインプロヴィゼーションの箇所ということになる訳で。そういう意味ではタイトルにもなっている(キラーチューンであるはずの)「I Will Wait For You」が一番そういう面が強調された曲になっていましたが、原曲の切ない感じを相殺してしまうという残念な結果に。なかなか難しいものです。 最近流行のポップミュージックのボッサカヴァー(ちょっと食傷ぎみだけど)みたいに、原曲のテイストが遠いほど面白く聞けるということはあるんでしょうね。
☆☆☆