ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(デヴィッド・イェーツ)

 どうも、意地悪なおばさんの家に監禁、ガキ大将にいじめられる、みたいな「ドラえもん」的世界観とシリーズが志向するシリアスな展開との齟齬が見過ごせないほど大きくなってきた印象。だからおふざけエピソードは思い切ってカットして尺を縮めてほしい(長い・・・)。小説だったら息抜きの箇所としてありかもしれないけれど。
 それと、これもこの作品のお約束みたいなものですが、冤罪が酷い。一般人(マグル)の前で魔法を使うことを禁じた規定に違反した罪によって、ハリーが法廷で裁かれるエピソードがある。ただその魔法の種類が「守護霊召還」だから正当防衛なのははっきりしている訳で、主人公を罠に嵌めるのが目的ならもっと狡猾な手を使ってくれないと、悪の側の恐ろしさが伝わらない。もしくは魔法の世界の社会制度がずんだれすぎてる印象(というか後者のイメージが最初からずっと拭えない。いい編集者に助言してもらえばいいのに)。3作目が頑張っていたので4からも続けて観たけど、残念な結果でした。
☆☆1/2