ザ・ロストシティ(アーロン・ニー、アダム・ニー)

 もともとの秘境ものとしては『ロスト・シティZ』を踏まえているのかな、と思うのだけど、ジャンルとしては完全に『ロマンシング・ストーン』の現代版ですね。知らなかったけどキャストが贅沢で、ブラッド・ピットの使い方が贅沢だし、ダニエル・ラドクリフはすっかり変化球の人になってしまったな…(血走った目がなんだか定番になってきたような?)それとやっぱりサンドラ・ブロック力でありチャニング・テイタム力なんだろうな。

 全体としては配慮の行き届いた娯楽作。このちょうどいい感じは、ありそうでなかなかないなと思いました。とくにそれを象徴するのが守護天使のように登場するヤギ飼いのオスカーで、「あなたって天使みたいね」と投げかけられて「え、どうして知っているの?」と返すような絶妙なはずしかた。このあたりはぜひ実際に見ていただきたいところなんですが、いちいちセリフが気が利いているのだけど、これ見よがしじゃないラインをずっとキープしていて、面白くなりすぎない感じ、不思議と新鮮でした。

☆☆☆1/2