カード・カウンター(ポール・シュレイダー)

 端的にいえばポール・シュレイダーのいつものやつ(罪と贖罪)、なんだけどやっぱり良かったですね。何も起こっていない場面でも「映画が持っている」感じがするのって豊かな印象を受ける。蓮實重彦のいう「ショット」というのがそれなのかなという気もしているのですが…それと折々に挟まれる無人の屋内空間のショットが建築系アート写真のようでクールでした。

 オスカー・アイザックの演技が凄まじかったですね。上手すぎる。積み重ねてきた役柄の幅が広いから『デューン』などで領主役を演じても説得力があるのだろうな、と思いました。それはさておき、いつの間にかタイ・シェリダンはこんな感じになってたか…

☆☆☆1/2