青年誌漫画をアニメ化した時のいなたさ(90年代~2000年代前半くらい?の雰囲気)みたいなものがあってそれは悪くなかったのだけど、演奏の場面でのCG使いがこなれていない※のと、特に厳しかったのは「演奏されている音楽がいかに素晴らしいか」は漫画では読者が補完するからいくらでも風呂敷の広げようがあるのだけれど、映画では直接聞かせることになるから誤魔化しようがないんですよね。結論から言うと、音楽自体は悪くはなかったけれど、ジャズは分かりやすくキャッチーではないからと作り手が思ったからなのか、アニメとしてのエフェクトかけまくり(サックスが輝くとか、光の乱反射とか)で、「ミスター味っ子」みたいな料理勝負アニメみたいに安っぽい方向の演出になってしまっていたのは残念でした。
しかしながら、作品としては結構よかったというのが映画の面白いところで、「ある物事に全てを投げうって取り組んできた」ことがストレートに伝わってくるシーンには心打たれました。
☆☆☆☆
※従来型のセルアニメでは楽器演奏が最も演出困難な動きのひとつと聞いたことがあります。