2010-01-01から1年間の記事一覧
昨年結構話題になっていたノンストップ医療?アクション。実際に読んでみたら、ストレートな活劇というよりは余談と注釈が本文を乗っ取る勢いという、チャック・パラニュークを彷彿とさせる作品でした。(明示されている訳ではないけれど、「教授」の存在が…
感想を先に言えば受け入れ難かった。作品に懸けられた熱量は半端じゃないし(あんな細かいカット割り、素材を撮り上げることを考えただけでも気が遠くなる)、演出は憎らしいほど上手い(松たか子のポテンシャルをギリギリまで引きずり出したファミレス後の…
「派手になったけど、前作ほどではない」とか「スカーレット・ヨハンソンは何のために出てきたの?」とかマイナス事前情報があったお陰で、期待値が低くなっててかえって楽しめたかも。結論から言うと、やっぱりちょっとだけ前作に及ばず、という印象。以下…
おれパパのテラヤマアニさんがこの記事http://d.hatena.ne.jp/kowagari/20100610で書かれているように、僕もバイクに撥ねられた時に全力で逃げようとしたことがあります。中学生の時。(怒られたらどうしようという気持ちだったような気がするな・・・) 母…
若尾文子がとても可愛らしい。なるほどスタアだなあと思います。本当にチャーミング。確かに惚れるわー。(フィルモグラフィ的にはディープサイドの方が評価されがちなのかな・・・) 話はこれ以上ないくらいベタなラブコメなんだけど、さすがに増村作品だけ…
TVのエンターテインメント番組で制作アシスタントを務めるアリソンは、昇進の内示をもらったその日、浮かれ気分もそのままにクラブに繰り出す。そこで知り合ったのは、映画サイトでの起業を夢見るハッパ好きの自由人ベン。その後、覚えのない体調不良に不…
長い長い『ポセイドン・アドベンチャー』みたいな展開。ディザスター映画とは端的にそういう形式をとる作品、といえなくもないけれど(終盤の主人公チームのマッチポンプぶりはすごかったねえ・・・)。評判になっていたように、当分この作りこみを超えるこ…
栄枯盛衰の激しい映画ビジネスの世界で、かつては大立者として認められたクレイグ。しかし時代の趨勢には逆らえず、ここ最近は半ば忘れられた存在だった。そんな彼が久しぶりにカンヌの地に帰ってきた。それは自ら初めて書いたシナリオを「仲間たち」に問う…
『青空娘』の若尾文子も溌剌として良かったけれど、こちらの感情を押し殺して忍ぶ姿もかなりグッときました。(そしてメガネ!) 導入で歌謡映画と見せかけて、実は小津パロディというのもすごいけど、画的な話をすると、市川崑のスタイリストぶりは本当に相…
スマッシュヒットになった『魔法にかけられて』の夢再びということなのか、「ファンタジーの現実浸食」系作品。とはいえむしろ『悪いことしましョ!』的な主人公の暴走する妄想を楽しむコメディですね。 作品自体の精度でいうと、とても『魔法にかけられて』…
サスペンスアクションの佳作『セルラー』の香港リメイクです。ヒロインを助けるために奔走する主人公が「学生」から「糊口をしのぐために借金取りをしているお父さん」に変更されていたり、一見うだつが上がらない感じの警官ウィリアム・H・メイシーが、有…
仕事用の黒靴が6年以上になって、そろそろ新しいものがほしいという気分になりまして。しかし当初は、クールビズ期間中のドレスコードがゆるめなので、スエードのチャッカブーツもありだなとチャーチのサハラも検討していたのです。でもいざ実物を見てみる…
南米ウルグアイの人里離れた場所オチョス・リオス。そこには自殺した作家グントの妻、愛人とその娘、そして作家の兄とその恋人がそれぞれの孤独を抱えて生きていた。時が止まったかのようなその場所に、ある日闖入者が現れる。彼はアメリカの大学院生で、グ…
iPod用のイヤホンは、最初オーディオテクニカのもの(3,000円くらい?)を使っていて、結構それなりに満足していたのだけど、もうちょっと良いものも試してみたいと購入したのがshureのSE115でした(legendary performanceっていう惹句が景気がよくてい…
自分にロック愛が欠けているせいか、最後まで乗りそこねた感じでした。(世評芳しい同監督作の『ラブ・アクチュアリー』にも言われているほどピンとこなかった人間なので、その点割り引いてもらった方がいいかもしれませんが・・・) また、いいキャラを揃え…
エンダー・シリーズばかりが紹介されているところや、ハインラインの『宇宙の戦士』との絡みで戦争ものSFはちょっとな、と作者の作品自体を何となく敬遠していたのですが、これは粒ぞろいの傑作短編集。まさしく読まず嫌いで損してました・・・以下特に良…
そもそも勝手な思い込みだったのだけど、『殺人の追憶』からこの作品まで観てきて「ああ、監督の志向は俺の期待していた方向ではなかったのだな」とようやく得心。 すごく乱暴なカテゴライズですが、復讐3部作以降のパク・チャヌク作品的というか『チェイサ…
スチームパンクって彼の地では結構なムーブメントになっているそうで。解説では、映画『シャーロック・ホームズ』での意匠にも言及がありましたが、なるほど納得。実は『ウルフマン』のちょっと唐突なリメイクにも何故また?と思っていたのだけど、19世紀…
元々オリジナルはハリーハウゼンの特撮シーンだけが面白かったという印象なので過剰な思い入れはなくて、こちらも身の丈にあった小品という感じで悪くない出来だったと思います。 三途の川の渡し守等、CGモンスターの造型自体も気が利いていたし(メデュー…
チーニーと袂を分かったせいだと思うけど、チャーチがセカンドラインを作ったのは微妙に残念ですね・・・ジョン・ロブやエドワード・グリーンみたいな押し出しのよさがある訳ではないけれど、シックな老舗って感じが良かったんじゃないのかなあ・・・
読むまでは、咀嚼力を試されるような難解な小説なのかなと構えていたのですが、実際は奇想コレクションに入っていても違和感がないような異色作家テイストの小説でした。もっといえば星新一のようなショート・ショートの趣もあって(これは底本が学生向けの…
「この映画の結末は誰にも話さないでください」というオープニングの煽り文もそうだけど、大仰な音楽、赤々と流される血、ケレン味たっぷりのライトなど、ふた昔前の東宝東和イズム溢れる作品でした(大袈裟にいうと)。ある種ネタバレしますのでこれからご…
年季の入ったギャンブラーのボブ。20年前に出所して以来、裏稼業からは足を洗った。ある日、彼はカジノで有り金のほとんどをスッてしまう。ふとしたことからそのカジノの金庫に収められた莫大な額を知った彼は、最後の大仕事としてカジノ強奪を企てるのだ…
友人との待ち合わせの時間つぶしにお店にいったら、グレーとネイビーの大柄チェックの按配がものすごく好みのストールがあったので衝動買い。初ストール。 ところでストールというものは、男にとっては、「誰このハンサム気取り?」って見られやしないかとい…
「奇想コレクション」がどちらかというとSFに軸足を置いた叢書とすると、今回読んだ「KAWADE MYSTERY」はその名のとおりミステリに軸足を置いているのですが、どちらも近年の「異色作家」のくくりでのアンソロジーブームを牽引している選集です(どちらも…
これはメイヘム計画の一環に違いない。
「ハードボイルド」って本当に使い減りしない形式ですね。これはとても良かったです。 近未来のサンフランシスコ、市民はカルマとよばれる点数で減点管理され、社会の不満のガス抜きに政府は合成ドラッグを合法化していた。人々の孤立化は進み、進化療法によ…
悪逆非道の限りを尽くしたことで悪名高い「五毒門」※1。命が尽きようとしていることを悟った老師は心を痛め、最後の弟子を呼び遺志を託す。5人の兄弟子を探し出し、倒した上で、略奪してきた金品を世の人々のために返すのだ。しかし、一門の伝統で、彼らは…
有子は、高校の卒業を機に上京し、父の許へ赴く。しかし、この年になるまで遠ざけられていた本当の理由は、「愛人の娘」であったからと知る。継母からの女中に対するような厳しい仕打ち。しかし彼女は、恩師の二見から教えられたように、いつも青空のように…
こういうことを書くと原作原理主義者には怒られそうだけど、例えばナウシカの漫画版と映画版の違いくらい大幅に変更があるのかと予想していたので、ちょっと肩透かしでした。映画化の話が具体化する前から伝説的なコミックスということで名前だけは知ってい…