悪逆非道の限りを尽くしたことで悪名高い「五毒門」※1。命が尽きようとしていることを悟った老師は心を痛め、最後の弟子を呼び遺志を託す。5人の兄弟子を探し出し、倒した上で、略奪してきた金品を世の人々のために返すのだ。しかし、一門の伝統で、彼らは様々な身分に身をやつし正体を暴くのは容易でない。しかもそれぞれどの町に潜伏しているか、ようとして行方も知れない。まずは信用できる兄弟子をひとり味方につけるのだ・・・
しかも『サイボーグ009』の009みたいに、兄弟子を倒すべく、ムカデ、ヘビ、サソリ、ヤモリ、ガマという5種の拳法を全て身につけた主人公(しかし時間が足りずどれもマスターに至らず)という設定が超燃える!いったいどうやって、糸口を見つけるのだろう・・・とワクワクしていると、こじんまりした宿場町に全員集合してる、という導入がものすごく肩透かし。しかもブルース・リー以降なのにこのアナクロさはいかがしたものか・・・ってなるのですが、そのいびつさがタランティーノを始めとした彼の地の好事家の心を鷲掴みしたのでしょう。カルト・クンフーとして愛でられているそうです。でも確かに、脚本やアクションといった要素では計れない、いわく言い難い不思議な魅力のある作品でした。※2
☆☆☆1/2
※1そういえば、『ゲキレンジャー』でもオマージュがありましたね。
※2残酷加減がエクストリーム。