タイタンの戦い(ルイ・レテリエ)

 元々オリジナルはハリーハウゼンの特撮シーンだけが面白かったという印象なので過剰な思い入れはなくて、こちらも身の丈にあった小品という感じで悪くない出来だったと思います。
 三途の川の渡し守等、CGモンスターの造型自体も気が利いていたし(メデューサが登場する女性キャラで一番美人だったんじゃないかしら?)、例えば砂漠の民が駆るサソリが崖の端で肢をズルッと滑らせたり、ペガサスの脚が円柱を蹴って飛翔したり、というCGのアクションに対するオブジェクトのリアクションという演出も細かいところまで配慮が行き届いていたような。戦いの場で死ねるならむしろ本望という武人たちがキメ台詞(フラグ)をバンバン発して、そして・・・という展開も素直に燃えました。
 ただ胡散臭い幻獣ハンターとか、骨董品扱いのアテナのフクロウとか(てっきり伏線かと)、使いでのありそうな要素が結構勿体無いことにはなっていましたね。
 ところで王妃カシオペアが「私の娘は神より美しい」とのたまう有名なシーンでは、「それはいくらなんでも親の贔屓目では・・・」ってなる感じのいい塩梅の配役だったけど、それならむしろ監視者のイオの方がアリだよなあ、という観客の突っ込みは、まさしく製作者側の思う壺というか突っ込み待ちだったのでしょうか?
☆☆☆1/2
※イオ役は『慰めの報酬』のサブヒロインの人だったんですね。
※む?ということは、マッツ・ミケルセンと合わせて007の前・後編つながりなんだな。