2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ライト/オフ(デヴィッド・F・サンドバーグ)

こんなオバケいたら怖いな、という思いつきの一点突破がいっそ清々しいという映画でした。役者さんたちが皆達者だから長編でもぎりぎり持った感じかな。 ここから監督を『シャザム!』に抜擢する思い切りがすごい。 ☆☆☆

フッド:ザ・ビギニング(オットー・バサースト)

アクションは頑張っていたけれど、脚本がガタガタだったのが残念でした。そもそも悪役たちの「アラビア軍に資金提供」という策略の目的が全然わからない。(な、なんだってー!っていう意外性以外に必然性がなさすぎではないでしょうか…そもそも「アラビア軍…

シャザム!(デヴィッド・F・サンドバーグ)

家族から自尊感情を傷つけるような揶揄いを受け続けると長じて心を病むと育児の本でよく目にするけど、悪役シヴァナはそんな感じだったから辛かった。(寄る辺なきもの、という意味で主人公の鏡像でもあるけど、これはヒーローものの定番ですね。)でも考え…

ターミネーター:ニュー・フェイト(ティム・ミラー)

(ネタバレです。)全体的にすごく無理がある脚本で、「スカイネット亡き後も送り込まれ続けるターミネーター」という設定も飲み込みにくいし、ダニーが標的として狙われる理由も若干弱いし、それを教えてくれるのがこれまたターミネーター(改心後)という…

ランペイジ 巨獣大乱闘(ブラッド・ペイトン)

怪獣映画らしさの点で『パシフィック・リム』より「らしい」し、スケールの取り扱いでは『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』より繊細さがあって良かった。前半の動物保護区の仲間が全然活躍しないところや、そもそも悪者姉弟は何がしたかったの?という脚…

彼らは生きていた(ピーター・ジャクソン)

原題はThey Shall Not Grow Oldだから、「彼らが年を取ることはなかったろう」というような含みを持たせた題の方がよかったのでは、と思いましたが、それはさておき。最初は、現在において文書記録や日誌を朗読しているのだと思ってたのだけど、解説を読むと…

孤狼の血(白石和彌)

THE東映映画でしたね。三池崇史みたいな露悪的バッドテイストに走ることなく普通に作ってみましたという感じ。 今の時代の映画で、よくあんな澱んだ感じに作れたなと思いました。でもリアルタイムを知るものとしては、雰囲気が昭和過ぎるよね。ノルウェイ…

メランコリック(田中征爾)

明らかに低予算なんだけど、勢いと根性でなんとかするんじゃなくて(そういうのも悪くないけど)、脚本の妙と演技で見せるところが良かったですね。こういうタイプの映画ってアメリカのインディペンデント作品には結構あると思うけど、邦画でもやれるんだな…

‘THE SCRAP’ 懐かしの一九八〇年代(村上春樹)

もうゼロ年代リバイバルしようかというご時世だけど、これは80年代にリアルタイムでアメリカの雑誌を読んで雑感を書く、という村上春樹のコラムをまとめたものです。こんな本が出ていたって知らなかった。 今の眼で見ると、ううむどうかしら…という内容も…

透明人間(リー・ワネル)

低予算から逆算された工夫が随所にあって面白かったです。(いわゆる特撮は最低限に絞ってるし、高級邸宅も見えるところだけしか多分作ってないですよね。まあセットってそういうものだけど。)しかしながら、透明化というスペクタクルより猜疑心にフォーカ…

ジョン・ウィック:パラベラム(チャド・スタエルスキ)

いくら工夫と努力を重ねた殺陣でも、そればっかりだとやっぱりのっぺりした印象になるよね…という(2作目と同じ)感想でした。ジョン・バダムの「アクションシーンは頑張った分全部使いたくなるけど、見極める勇気が必要(大意)」という言葉をおくりたい……