トゥモロー・ウォー(クリス・マッケイ)

 (ネタバレ)こういうジャンルの映画の難点をあげつらっても無粋なだけなので、むしろいい湯加減の映画だなと楽しんだのですが…

・とはいえ、タイムパラドックスについては考えないわけにはいかなかったですね。過去(現代)で解決したら分岐した「そうでない未来」に接続するのかな…

・時間を逆行できるテクノロジーがあるんだったらエイリアンも一掃できるんじゃないかしら…

・ひと頃ジャンル小説、映画で流行った「ベトナム帰りなら戦闘力が10倍」みたいなご都合主義を今時平熱でやってるのが逆にすごい。

・実は、この映画の設定はかくかくしかじかです、というセットアップのパートが一番面白かった。具体的にはプールに落っこちるまで。そういう「説明」をかったるいと指摘する人もいるけれど、僕みたいにむしろそっちの方が面白い人も多いんじゃない?

・同じ人間が同時代に存在するタイムパラドックスを回避するため早死にする人を選んでいる、という理由みたいなんだけど、その原因が泣かせる悲劇とかではなくて、自暴自棄というのが(そして登場人物のリアクションが)あまり見ないタイプの微妙さ加減で妙に印象深かった(そして長い)。現代パートではそんな気配なかったけどな…

・主人公が物語の決着に関与しないと映画を見てる方はカタルシスを得られないので、なんとかするんだろうなとは思っていたけど、最後のむちゃな展開は『イコライザー』みたいだなと思いました。とんちとしてはまあまあ。

・奥行や飛び出す感じを意識した画作りが随所にあったので、ああ劇場公開したかったんだよな…と切なくなりました。

☆☆☆