虹色と幸運(柴崎友香)

 日常系、語りに仕掛けがあるギミック系、毒のある話、若干超常系と著者の作品はいくつか分野があるけれど、『フルタイムライフ』みたいな日常系でしたね。

 ふとしたきっかけでとても親しくなって、ある時期を境に疎遠になったり、また久しぶりに集まるようになったり、という人生における人間関係の変遷の機微や不思議さがとても繊細かつ的確に描かれていたと思います。

 さらっと読めるけれど超絶技巧というか語りの洗練が極まった感じ。補助線として解説がとてもよかったです。

☆☆☆1/2