シャドウ・イン・クラウド(ロザンヌ・リャン)

 もともと期待してたけど、予想を超えて面白かったです。アイディア一発かと思ったら遥かに上等な映画でした。雲間から見える地上の景色が刻々と変化していくところや、機内に散らばる肉片など端々のディテール描写が効いている。銃座の心細さとか、そこから見える水平線から日が昇るところとか。やおら始まるモードとグレムリンの一騎打ちに挿入される、なすすべのない男たちが顔を見合わせるカットとか、挙げだすときりがない。

 そういえば唐突なちょっとタンジェリン・ドリームっぽい?80年代ペナペナシンセ風劇伴もよかったですね。そこも含めて80年代に製作された第2次大戦映画風という体裁を美術やルックが狙っているのかな、という気がしました。

 「限界はない!」からの無茶なアクションも面白かったですね。ひとり芝居として舞台化したら面白いのではないかと思いました。

☆☆☆☆