別れる決心(パク・チャヌク)

 ファム・ファタールに翻弄されるという点で、本当のノワールでしたね。面白いつなぎ方やハッとする画などが多々あって、映画の愉しさはたくさんある作品だと思うのだけど、持って回った語り口が冗長に過ぎる感もありました。

 ヒッチコック的陶酔(『めまい』的な感じだったりレイアウトに淫する感じというのかな)を狙っていてそれはある程度上手くいってるけど、そういうのは作りがもっとシンプルだからこそ映えるのでは?と思いました。

 やっぱり監督作では『渇き』がいちばん好きかな。ストレートだから。

☆☆☆1/2