2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

スラムドッグ・ミリオネア(ダニー・ボイル)

たかがクイズ番組で不正を働いたからといって警察が拷問?!というむちゃな導入を呑み込めたら、あとは一気呵成。思ってた以上に大メロドラマだったなあ。 ところで大人になったら兄ちゃんが亀田弟に、ヒロインが黒谷友香に見えてきてね。 ☆☆☆1/2(エンド…

ユッカ・エスコラ(ユッカ・エスコラ)

ファイブ・コーナーズ・クインテットの2枚目にすごく期待していたのだけど、「ボーカルもの」が一層フィーチャーされていて間口は確実に広がっていたはずなのに、(過剰な期待がハードルを高くしていたのか)正直物足りなかった。というところで、クインテ…

影なき狙撃者(ジョン・フランケンハイマー)

『フレンチ・コネクション2』や『RONIN』のイメージが刷り込まれてるところが正直あったのですが、『ブラック・サンデー』を踏まえて改めて思ったのは、意外と演出のレンジが広い監督だったのだなということでした。 どんな映画でも「このシーンが成功…

思い込み

「サイモン・スミスと踊る熊」というのは多くの人にカバーされているランディ・ニューマンの名曲なんだけど、村上春樹に同名の短篇があったはず、と何故か思っていた。何か字面と並びにそういう雰囲気ないですか?

青空感傷ツアー(柴崎友香)

実はミステリマガジンで「サプライズ要素のある小説」というコラムで言及されていたので読んでみたのだけど、どこにその要素があったのか分からなかったのが一番のサプライズだった。(ネタバレするのでタイトルは挙げませんが、それだったら絲山秋子のある…

ロストボーイ:ニューブラッド(P・J・ピース)

ジュブナイル・ホラーの佳作、まさかの21年ぶりの続編!と思ったら『火垂るの墓』のハリウッドリメイクじゃないの・・・ 相変わらずコリー・フェルドマンはビッグマウスのくせにヘタレ気味なヴァンパイア・ハンターで。自虐ギャグ風に『グーニーズ』に言及…

ミュート・ウィットネス(アンソニー・ウォラー)

なるほどこれは面白い!教科書的なサスペンス演出でも、丁寧に積み重ねると傑作になるというお手本みたいな作品ですね。口がきけない+異国(ロシア)の不自由さということから想像される展開はとにかく何でも注ぎ込んでいる。特に冒頭のサバイバルアクショ…

髑髏(フィリップ・K. ディック)

もともと『ウォー・ヴェテラン』を底本としているように、概ね戦争テーマの短編集と言ってもいいのでは。とはいえ、そこはディックのこと、アイディア・ストーリーから得意のパラノイア爆発な話までバラエティに富んでいます。以下、好きだった作品について…

マルタの鷹(ジョン・ヒューストン)

ちょっと前に読んだ『フリッカー、あるいは映画の魔』にこの作品への言及があったので鑑賞。ところが全然マルタ十字とか登場しないのな!まあ『フリッカー』は全編にわたって、というか全体が映画に関するペダンティックなジョークみたいなものだったからな…

デッドエンド 暗戦リターンズ(ジョニー・トゥ)

ビルの屋上での「コインは表か裏か?」の賭けを巡る冒頭でのやりとりとその顛末(口先だけで刑事を自殺に追い込む犯人(イーキン・チェン)→召集される救急隊とエアマット→自分が飛び降りて逃走)はとてもスマートで格好よかった。 その場面のみならず、シー…

ストーン・カウンシル(ギョーム・ニクルー)

一言でいうと見事にジャン=クリストフ・グランジェ映画だったですね。例によって「秘密結社の陰謀を巻き込まれ型主人公が暴く→なんだかんだあってドカーン→めでたし(概ね)」というタイプの映画。「石の評議会」って響きはなんか格好いいよな!という思い…

ぼくは落ち着きがない(長嶋有)

模試に出てくる小説や評論(やコラム)の読解問題が好きでした。それは読み物として。というのは、小説だったら出題範囲から想像される全体像が、実際に読んでみるとまるで予想と違っていたりという驚きがあったから(だからギャップがあるほど面白かった)…

ザ・バンク 堕ちた巨像(トム・ティクヴァ)

サブタイトルは「クライヴ・オーウェンの建もの探訪」だったのだと思う。 柱を貫通した弾丸のふたつの軌道跡を覗いて「狙撃手は二人いたんだ!」というような画でみせるシャープな演出はなかなか格好よかったです。 のだけど、物語を真面目に追っていくと、…