2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

くりいむレモン(山下敦弘)

うわ、タイトル書くだけでも勇気がいるなぁ。感想文中、結末に触れます。 えー好きな邦画はいろいろあるのですが、好きなジャンルとして「恋愛もの」があります。これは今流行の泣けるやつ、じゃなくて「ちょっと倒錯的なもの」。少しエグイシチュエーション…

物欲の秋

先日、カール・オーボックの「鳥」というオブジェを購入。シンプルでシュールな造形が素晴らしく、またテクスチャーの処理がいかにも工芸チックで素敵。飾る場所が和室のブック・シェルフ(米国ビンテージ家具。要は中古品)しかなかったので雰囲気的に合う…

特番

先ほど「デッドエイジ」という「年齢差に関わる常識問題」クイズ番組をやっていた。企画自体がそもそも「クイズ年の差なんて」の焼き直しなんだけど、それはさておき、アダルト世代の問題に「武士は食わねど高楊枝」とか「豆腐にかすがい」などが出題されて…

歌おう、感電するほどの喜びを!(レイ・ブラッドベリ)

誰が歌っても文句なしの名曲というものがあって、それは「スタンダード・ナンバー」といった言い方で評される。その一方で「エバーグリーンな」ものであっても、オリジナルの歌手でなければ本来の輝きを放ち得ない曲というものもある。例えば井上陽水の曲、…

ノスタルジア

「みんなのうたベスト100」という素敵サイトがあって、タイトル通り昔の「みんなのうた」の画像と音楽を閲覧させてくれるのだけど、そこで「われないたまご」という歌をものすごく久しぶりに聞いた。それですごく個人的な疑問点が氷解した。 モダンチョキ…

超生命ヴァイトン(エリック・フランク・ラッセル)

うちの近所の図書館は開架と閉架兼用の書庫システムになっているので、そのジャンルの古典や定番の本以外のちょっと古めの本を借りる時は、書名でピンポイントに貸出申込みすることになる。だから開架コーナーに見かけないタイトルや古い感じの本が並んでい…

スタスキー&ハッチ(トッド・フィリップス)

これは実質的にはリメイクというより、「ズーランダー」の続編じゃないかなと思った。だからエピローグで登場する、まるで「ものまね歌合戦」のご本人さん登場みたいなシチュエーションが取ってつけた様というか、逆に切ないやないか・・・ コメディとしては…

シビュラの目(フィリップ・K・ディック)

ディックの凄さっていうのは「人間もどき」みたいなパルプ雑誌に載ってたような古典的でオーセンティックな短編から、「暗闇のスキャナー」みたいな人間ドラマ重視の長編まで書くというレンジの広さにもあると思う。この短編集はそういった幅の広さを味わう…

イノセンス(押井守)

前作「攻殻機動隊」のときも同じ感想を持ったのだけど、「ブレード・ランナー」がもっとシンプルな方法で語っていたテーマを、難解というか衒学的なアプローチで語りなおしたにすぎない、ということ。ペダンティックな過剰さというのは「うる星」のメガネ的…

Against The Pull Of Autumn(epic45)

タワレコのリコメンドで手にとって、視聴するとなかなかよかったので購入。こういうジャンルは普段ほとんど聞かないので新鮮であった。(ジャケ買いばかりしている訳にはいかないので視聴コーナーは本当にありがたい。)実をいうと、このジャンルではありが…

保護法

32歳独身というスタンス(スタンス?)を貫くのはなかなかに精神力を要するもので、20代後半だったら年齢にまつわる冗談も気軽にいなせていたのに、最近では「冗談、これは冗談」と自分自身をなだめるのにかかる時間がコンマ何秒伸びている。 先日、ひょ…

ワンピース「オマツリ男爵と秘密の島」(細田守)

ハウルの敵討ちのような快作。でも噂どおり、ターゲットを考えるとワザとのような嫌がらせに近いダークぶり。そこもよし。 デジモンの1作目(それとパイロット版)でも感じられた卓越したビジュアルセンスは健在で、アニメ映画を観る醍醐味にあふれている。…