スタスキー&ハッチ(トッド・フィリップス)

 これは実質的にはリメイクというより、「ズーランダー」の続編じゃないかなと思った。だからエピローグで登場する、まるで「ものまね歌合戦」のご本人さん登場みたいなシチュエーションが取ってつけた様というか、逆に切ないやないか・・・

 コメディとしては「ズーランダー」ほど弾けきれてなくて、やっぱり刑事ものとしてのしばりがあるせいなのかなと考えざるを得ない。ギャグなんかでも「それはありえないだろ!」と観客が突っ込むほどの破壊力がないし。こういうゆるくてもOKという流れは確実に「オースティン・パワーズ」からで、免罪符としてオシャレ要素に抜かりはありませんというフックを用意しているのも同じ。今回は70年代風俗の再現性がそれ。確かにスヌープ・ドッグのピンプ・ファッションなんかゴージャスで雰囲気もあって劇中の登場人物としても輝いていた。でもコメディ映画としてそれは本末転倒というか、キッチリ笑いを取ってなんぼでしょ・・・

 ビッグR役のウィル・フェレルが気持ち悪いんだけど面白い。この人の登場シーンだけはきっちりコメディの空気で、さすが本職は違う。あとジュリエット・ルイスを久しぶりに見た。時の経過とは厳しいもので、ギスギスのなかにも辛うじてあった「可憐さ」みたいなものが見事に洗い流されてしまってた。役柄のせいだったらいいんだけどなあ。

 DVDで暇つぶしに見るにはちょうどいいと思います。

☆☆☆