ラン・ハイド・ファイト(カイル・ランキン)

 誰もが夢想する(特にダイ・ハード以降顕著だと思うのですが)「もしこの建物(学校)がテロリストに占拠されたら、どうやって脱出するか?」を映画化した心意気は買いたいと思いました。しかしそこまでだったかな…

 正直、主人公の女の子が軍人の父から教えられたのは鹿撃ちの技術であって戦闘技術ではないということと(その点でいうと『サプライズ』の女の子の方が断然本格的だった)、敵もテロリストではなくてスクールシューティングに過ぎないので、封鎖についても徹底していないんですよね。(そもそも実際映像化されると、学校って封鎖に向いてないのが分かる。)

 ということで、アクションの皮をかぶった青春映画であることが徐々に明らかになるんだけど、その点もどっちにしたいんだか中途半端な感じは否めませんでした。ただ一点褒めるべきところは、学校封鎖をする学生の一人の動機の告白と主人公のやりとりをちゃんと入れているところ。一方的に復讐してスカッとするようなつくりだとつらいなと思いながら見ていたから、そこは作り手の誠実さを感じました※。

☆☆☆

※何度も書くけど『時をかける少女』のアニメはその点がすごく酷薄だから今でも好きになれないのです。

守護天使みたいなお母さん役はラダ・ミッチェルだったのか!というのと、お父さんはトーマス・ジェーンだったのか、という発見があったのですが、『ザ・プレデター』しかり、くたびれた退役軍人の役が多いな…