ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(ジェームズ・ガン)

 (ネタバレ)世評は大絶賛という印象ですが、若干気になった点について。

 カウンター・アースにおいて主人公チームが手掛かりを得ようと接触する住民はヒスパニックの意匠が与えられていたと思うのだけど、つましく暮らしている家族を揶揄するようなニュアンスがあって、すこし引っかかりました。(監督作でいうと『スーサイド・スクワッド』で「テロ組織」のアジトを襲撃する場面のトーンと通底している気がする。)傍若無人さ乱暴さが面白いということなんだと思うけれど、無意識に侮っているのでは?という感じが拭えない。

 これは全般的なことでもあるけれど、ほっこりするような、泣かせるような展開から急に残酷なことをしてその落差で笑わせるのもちょっとなあ…と感じる(オルゴスコープの女性オペレーターを説得するシーンとか、カウンターアースの住民の女の子にボールをぶつけるところなど)。

 というように、監督の作品は仲間内には優しいけど…というヤンキー的感性の危うさがあると思います。

 一方でさすがだなと思ったのは、不憫かわいいというようなハイ・エボリューショナリーの実験動物の造形とロケットとの一連のやり取り、「もう逃げるのはいやなんだ」からの否応なく盛り上がる展開への段取り、ガモーラの選択など、登場人物の内面の変化とドラマツルギーが一致していて不自然さがない。つまりは脚本がよく練られているということなのだと思います。

☆☆☆1/2(上記の気になる点がなかったら4点でした。)