仮面ライダーBLACK SUN(白石和彌)

 (ネタバレ)つまるところ、劣化版「進撃の巨人」みたいな話でしたね。造形やプロダクションデザインが貧乏くさいのは何とか飲み込めても、脚本の杜撰さは受け入れ難かった。話数は結構あったのだから、怪人とのバトルシーンを削ってでも人間関係の描写に時間をかけてほしかった。というか、社会批判も戦闘もすべてが「ごっこ」だったな。力がある脚本家なら同じ尺で奥行きのある人間が描けたと思います。

 主人公の少女が最終的にテロリスト的革命を志向するのも、「お前光太郎の話聞いてなかったのか?」という気持ちになるし(もしくは作り手が「ファイトクラブ」をやってやったぜという感じの自己満足に終始している印象)、それであれば信彦を倒さずに怪人の支配する世界を作って終わりでよかったのに…という脚本の平仄が合わなさが顕在化する感じ。別のチームでやり直してくれないかな。

☆☆1/2