キャプテン・アメリカ(ジョー・ジョンストン)

 先日の『ロサンゼルス決戦』の時も思ったのだけど、アメリカの気分としては先行きが不安すぎて「アメリカらしさとは何ぞ?」みたいな迷走モードのような気がする。多分この映画のちょっと引いてしまうほどの明朗さ(特に前半の)はその裏返しではないかと思われました。
 端的にそれを感じたのは、悪者に人質に取られた男の子が海に突き落とされたとき「僕は泳げるから、早く追って!」というシーンで、たぶん作り手も笑わせることをある程度意図してはいるのだと思うけれど、その一方でボーイスカウト的な(アメリカ国民がこうありたいと願っている、のではなかろうかというパブリックイメージみたいな)言動には一抹の本気も感じられて・・・
 というわけで快調だったのは主人公がキャプテン・アメリカになるところまでだったかなあ・・・その後のミリタリー・アクションは長すぎる付け足しみたいな印象でした。レッドスカルも今の時代の映画の敵役としては牧歌的すぎて物足りなかった。それに『ロケッティア』みたいなレトロ趣味で行くのだったらもっと徹底してほしかったですね(超科学兵器はいいけど、光線銃の絵ヅラが馴染まない・・・)。万事中途半端な感じ。
☆☆☆
※ところでアイアンマンのお父さんが出てくるのだけど、結構スカしてる感じでそこも何だか・・・トニーが「ああいう人」になっちゃったのは、父親が厳格すぎたからじゃなかったの?