2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

有頂天家族(森見登美彦)

京の狸の頭領としてその名を響かせた父を失った後、阿呆息子呼ばわりの下鴨四兄弟はそれでも平穏な日々を送っていた。年を重ね、かつての栄光を取り戻さんと次期選挙に打って出る長兄。しかしそこには対抗馬である叔父の姦計が巡らされていた・・・ 作者は早…

マイ・ブルーベリー・ナイツ(ウォン・カーウァイ)

スローモーションのカット、多すぎるだろう。香港の時より割り増しだったくらい。トレードマークだから(えぇ?ダリウス・コンディだったの!)仕方ないというレベルではなかった。 そもそも村上春樹的なこじゃれセリフに、欧米の俳優的な演技を過剰にしたよ…

プレミアムって何なんすかね

最近ジーパンが高くて当たり前になって閉口してるんだけど、それ以上に「股上が浅くて腰ばき仕様」というのがレギュラーモデルになってるのがつらい。シャツがすぐずるずる出てくるので面倒くさい。皆さんはどのように対応されてるのだろうか? あとダメージ…

キング随想

先日『深夜勤務』所収の「波が砕ける夜の海辺で」を読んでいて、なんとなく既視感というか既読感があって、何だろうなとつらつら考えていたら長嶋有の『エロマンガ島の三人』所収の「女神の石」だった。 「波が砕ける〜」は後に『ザ・スタンド』として発展す…

の・ようなもの(森田芳光)

80年代の恥ずかしさを延々と見せ付けられるルドヴィゴ療法的な何かだった。 このトーンはしかし、見覚えがあるなと思い返してみると『シブガキ隊ボーイズ&ガールズ』でした。それもそのはず監督同じだし。『ドクタースランプ』の同時上映で仕方なく観たの…

ナイトシフト〈1〉深夜勤務(スティーヴン・キング)

最初期の短編集。さすがに若書きの感があるけれど、映像化された作品の割合が非常に高い。挙げてみると『地下室の悪夢』『マングラー』『地獄のデビルトラック』『ブロス・やつらはときどき帰ってくる』。と収録10作中4本。(と思ったら、「戦場」が『バ…

裸のランチ(デヴィッド・クローネンバーグ)

この作品と『イグジステンズ』の関係は、何となく『ブレードランナー』と『ブラックレイン』の関係に似ているような気がする。それぞれ後者はエンターテインメント要素を増量した焼き直しという感じ。それがダメというわけじゃなくて、どちらも好きなんです…

パララックス・ビュー(アラン・J・パクラ)

この当時(1974)の映画は、本当に政府とか体制に対する不信感が強かったんだなという世相を感じさせる。作品としては黒幕が漠然としていて全容が掴めないシュールな展開が面白いんだけど、悪くいえばマンガ的で、『カンバセーション・・・盗聴』や『コ…

サンタモニカ

チューブトップにホットパンツ、ウォークマンにローラースケートの女の子に会いたい、という長年の夢を叶えるため昨年2月にロスへ旅行したんだけど、そういうイメージの刷り込みの源泉は何だろうかとつらつら考えてみると、カラオケのBGVであることに思…

13/ザメッティ(ゲラ・バブルアニ)

ロシアン・ルーレットというネタ1発でこれだけ「観せる」映画を撮るというのはなかなかの力量ですね。雰囲気のある画作りもいい。電球最高。 思うに「イイ顔」の役者を揃えられたのと、移民ものという裏テーマが効いてたのが勝因かなと。ハリウッドで監督が…

ときめきに死す(森田芳光)

こういう映画だったんですね・・・タイトルからは想像もできなかった。ある意味ネタバレかもしれませんので、未見の方はスルーで。でも楽しめるかどうかはともかく、一度は見てみた方がいい作品だと思いました。 自称歌舞伎町の医者、大倉。彼は大金で謎の組…

Waltz for Koop(Koop)

クラブ・ジャズ温故知新。何かの雑誌で最近Koopの名を目にして、そういえばちゃんとアルバム単位で聴いたことなかったなと思い購入。クラブイベントで当日のセットリストをCD化したやつやコンピレーションなどで曲単独ではよく聴いていて、ずっといいなと…

シネ・クァ・ノン(パウロ・ムニツ)

とにかく1曲目の吸引力が強力で、そのままCDを引っつかんでドライブに出かけたくなる。 声質・メロディといったあらゆる要素がポップスに最適化されたボサノヴァなので、いわゆるサウダージな感じは殆どないのだけれど、良い意味で「ながら聴き」に最適。…