スパイ・ゲーム(トニー・スコット)

 最近の若い人にはもはやピンとこないかもしれませんが、『リバー・ランズ・スルー・イット』あたりからロバート・レッドフォードの再来と呼ばれるに至ったブラッド・ピットが、いよいよ満を持して「ご本人登場!」となった、という出オチ企画感が当時ありました。

 しかしながら、結末の鮮やかな伏線回収含めコン・ゲームものである点は『スティング』的であり、アクションでなくオフィス内での言葉の応酬が武器であるのは『大統領の陰謀』的であって、総じてロバート・レッドフォードオマージュ作品かなという気がします。

 今となっては、デジタル的なテロップの出し方や特に理由もなくグルグル回るカメラなど、90年代感(正確には01年だけど、というかトニー・スコット感)きついな…というのも時代の記録でしょうか。ともあれエスピオナージュならではの殺伐もあって面白いですよ。

☆☆☆1/2

※ブラピの相棒はベネディクト・ウォンだったんですね。今回気づきました。

※冷静に考えると、部隊に強襲される看守に罪はないし(死亡者が出てたらどうするの?)、恋人は殺人を犯したテロリストだから捕まっても文句いえないし、けっこうモヤモヤする要素はありますよね…