2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

殺しの烙印(鈴木清順)

冒頭のパート、記憶してた以上に『深夜プラス1』の忠実な再現だった、けれども、『深夜プラス1』を読んでその気になった映画研究部が撮ったようなもっさりした感じと貧乏くささがあって、こんな感じだったっけ…となりました。(そこも含めてこの作品のチャ…

アラジン(ガイ・リッチー)

期待してなかったけど面白かったよ、という声を公開時に聞いてたけど、ちゃんとミュージカルとしての楽しさがあって本当に面白かったですね。(山ちゃんの部分だけは吹き替えが勝ってた印象。) ところでジーニーのハイテンションぶりが『マスク』みたいだっ…

ナイブズ・アウト(ライアン・ジョンソン)

『名探偵登場』とか『デストラップ』みたいな70年代ミステリ映画※の匂いがしてすごく好きだった。(タイトルフォントが正にそんな感じなんですよね。)TVの洋画劇場で親と見ていた思いでが甦るような… それにしても、端正で精緻な脚本とすっきりした撮り方を…

レディ・ガイ(ウォルター・ヒル)

ウォルター・ヒルこんなところで何やってんの?と一瞬思ったけれど、傑作じゃないにせよ、期待する方向性を間違えなければまずまず面白い映画ではなかろうか。要は舞台建ての違う「あのスペイン映画」ですよね。(ネタバレになるから書けないけど。)奇妙な…

美女と野獣(ゲーリー・トゥルースデイル、カーク・ワイズ)

娘が絵本だけじゃなくて映画も見たいというので、劇場で観て以来久しぶりに。もう30年になるのか…いわゆるディズニー・ルネサンス期に位置づけられる作品群の中では一番好きですね。 本当に全編にわたって魔法がかかっているような作品で、登場キャラクタ…

ビバリーヒルズ・コップ2(トニー・スコット)

この頃のトニー・スコットは「とにかく派手なだけで中身がスカスカ」と批判されていましたが、久しぶりに見てみたら本当に「派手なだけで中身がスカスカ」だったからびっくりしました。 当時映画館(やその後TVで)で観たときは全然気にならなかったんだけ…

オーシャンズ8(ゲイリー・ロス)

『オーシャンズ11』のシリーズというのは、恰好いいっぽい、お洒落っぽい、イケてるっぽいという「っぽい」に特化した映画だった訳ですが、あれはセリフの呼吸とか編集とか、監督のセンスに拠るところが大きくて、その点この映画では鈍重な感じが否めませ…

歌え!ロレッタ愛のために(マイケル・アプテッド)

シシー・スペイセクがこれでアカデミー賞を取ったということだけ知っていたのですが、納得の演技。年齢の幅と歌がすごい。 一方、個人的には凡庸な職人監督というイメージのマイケル・アプテッドの出世作という切り口でも一応知っていたのですが、ドキュメン…

アクアマン(ジェームズ・ワン)

ヒーローものなんだと思って見てたら、実写版「崖の上のポニョ」その後、だったのでびっくりしました。 面白そうなことは全部やってみましたというサービス精神がよかったですね。 ☆☆☆1/2 ※1985年、俺の父と母が出会った年だ、っていうから、え?俺より年…

愛がなんだ(今泉力哉)

総じて役者陣は素晴らしかったけれど、若葉竜也がとにかくすごかったですね。ワンカットの中で驚き、喜び、悲しみがないまぜになった感情が現れる。(演技とはそういうものだとは思うけれど)本当に本人としてそう感じているとしか思えない表情。よくあんな…

ビバリーヒルズ・コップ(マーティン・ブレスト)

冒頭、例の軽快なテーマ曲が流れるんだけど、それでもごまかしきれない荒んだデトロイトの現状がドキュメンタリー風に撮られてて、あれこんなだったっけ?とまず思ったのですが、その後で事件の発端となる古い悪友の帰郷が描かれると、ああ『ムーンライト』…