歌え!ロレッタ愛のために(マイケル・アプテッド)

 シシー・スペイセクがこれでアカデミー賞を取ったということだけ知っていたのですが、納得の演技。年齢の幅と歌がすごい。

 一方、個人的には凡庸な職人監督というイメージのマイケル・アプテッド出世作という切り口でも一応知っていたのですが、ドキュメンタリーの「UP」の制作者という観点でみると、起用も腑に落ちました。(ところで先日続編をNHKで放送していましたが、素晴らしかったですね。)

 という訳で、実は実在のカントリー歌手の半生を描いた作品と知らなくて(ちなみに僕がタイトルから想像していた物語は、西部劇か犯罪もので、銀行強盗に対抗するために何か歌わなきゃいけないようなシチュエーションになるの…)、初めて見てああこういう映画だったんだと思った次第。ちょっと裏『ディア・ハンター』的な要素もあって、タイトルも相まってニューシネマっぽい感じ。こういう場所で一生を終えるという人生もあるんだな。この作品では出ていくことができたけれど。

☆☆☆1/2