2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

サイレンサー(リー・ダニエルズ)

いってみたら殺し屋版『ハロルドとモード』みたいな話なんだけど(という時点で相当変わった話だと想像いただけるかと思いますが)、とにかくストレンジな感触。特定のジャンルにカテゴライズできない、「何か妙な映画みちゃったなぁ」という感じ。こういう…

ワールド・オブ・ライズ(リドリー・スコット)

徹底した現場志向の工作員で「俺はこの国(ヨルダン)が好きだ」というディカプリオ演じる主人公、その言葉を自分に対するイヤミだとしか受け取れない現場を知らない指揮官ラッセル・クロウ、という配置は、アメリカの「良心」と、ともすれば手段と目的を取…

北壁の死闘(ボブ・ラングレー)

これは・・・凄く面白かった!!読んでいる間中アドレナリンの噴出が自分で感じられるほど興奮しました。 今の技術でぜひとも映画化してほしい、と一瞬思ったのですが、これは「映画化すると意外と面白くない」タイプの小説の典型かもしれません。なぜなら面…

イースタン・プロミス(デヴィッド・クローネンバーグ)

「・・・テンさん!」って言いたくなるよな「不器用な男」ぶりが格好良かったですね。 ☆☆☆☆ ※期せずして餃子(チャオズ)を思い出した。

巨人と玩具(増村保造)

増村監督というと、『でんきくらげ』とか先日観た『盲獣』みたいな(あるいはTVの「赤いシリーズ」等でもいいけれど)「飛び道具」的ジャンルがまず連想されて、「業の深い人々の織り成す因果の物語」という先入観があるだけに、実際観てみてそういう話だ…

スター・トレック(J・J・エイブラムス)

正直オリジナルメンバー作品は、映画で6作目くらいまで観てたかなという程度で、むしろピカード艦長のTNGの方が馴染み深い。でも従来からのファンの評判が良いという話で、なにより(世評芳しからぬ(ですよね?))『M:i:3』が大好きだったので、…

ターミネーター4(MCG)

例えばSW新シリーズでは、「クローン戦争」というキーワードに、いつか夢見た光景が実写化されるということでワクワクしたものですが(実際は一部だけだったけど)、この作品も予告編を観た時、「あの革命指導者としてのジョンが!」と期待したのだけど、…

ハンティング・パーティ(リチャード・シェパード)

「ちょっとだけ事実入ってます」という「ちょっとだけ」の腰の据わらなさが、映画全体の出来に反映していたようで。 実は、リチャード・ギア演じる主人公のひとりが「セルビア側の民族浄化の黒幕をとっ捕まえてやろうと思ってる」と言い出してからの展開に少…

盲獣(増村保造)

つまるところ、ストックホルム症候群の話でしたね。 と、変な照れ隠しみたいに茶化さずにはいられないほど実はハードコアでディープな作品。冒頭こそ昔の映画によくあるようにトゥーマッチな演出が製作者の意図を超えて「おもしろ」になっている、という展開…

闇に葬れ(ジョン・ブラックバーン)

聖杯伝説、英国の片田舎の狂人領主、ナチスの悪魔の実験、殺人ウィルス、そして・・・とキーワードをピックアップしただけで「その筋」が好きな読者には堪えられない溢るるシズル全開!なんだけど、実際に読んでみると落ち着いた筆致もあってそれほど突飛な…