正直オリジナルメンバー作品は、映画で6作目くらいまで観てたかなという程度で、むしろピカード艦長のTNGの方が馴染み深い。でも従来からのファンの評判が良いという話で、なにより(世評芳しからぬ(ですよね?))『M:i:3』が大好きだったので、監督に期待して観に行くことに・・・
結論を申すと・・・「スケールが大きいことやってるのに、何でかTVサイズな印象が拭えない」という『Mi3』への批判を思い出して、今更ながらそういうことかと納得してしまった。良くも悪くも「ザ・ムービー」な感じでした。軌道エレベーターみたいなビジュアルの「惑星ドリル」とか、普通なら絶対処理できないようなアクシデントのつるべ打ちによるテンションの醸成とか、随所に監督のセンスを感じられたのだけど、期待の高さゆえあえて苦言を呈したい。
まずキャラクターごとに割り振られたエピソードを消化したら、その後活躍の場面がないのが露骨。クルーが多いから仕方ないんだけど、もっと有機的に展開したらよかったのに。それとクライマックスの空間構成。遠近感がガチャガチャではなかったですか?あんな近距離であれが爆発したら地球もただでは済まないと思うのだけど・・・(コアでないと発動しない、というエクスキューズ?)
そして何よりカークの艦長就任までの過程。ちょっと物語の手続きにごり押し感が。「カークは後々やる男だよ」ということが担保されているから従前からの観客はまだしも飲み下せるとして、「あの知り合いの息子だから、きっとやってくれるに違いない」というだけで「君がサブ・リーダーだ」と前艦長が指名したら、他のクルーは面白くないんじゃないかなぁ。何か序盤の頃の「ハリー・ポッター」みたいで、えこひいきな風が感じ悪かった。そこは脚本にもう一工夫ほしい。監督が好きだという『SW4』の展開のスムーズさを参照したら、「終わりよければ、」だけじゃないのが分かると思うんだけど・・・
・アントン・イェルチン君のロシアなまり英語が素敵。こういう分かりやすい演技スキルにはグッとくる。ポスト・マカヴォイかもなあ。というか『ホビット』のオファーもあるかも?
・ウフーラのセクシーさに眼を奪われがちで、緑顔なので気がつきにくいけどルームメイト役のレイチェル・ニコルズはとても美人さんです。
・スポックのお母さんはノニーだったのか。いろんな意味で味わい深いっすね・・・
☆☆☆1/2