2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

綺譚集(津原泰水)

グロテスクの度合いを増した「夢十夜」といった印象。津原作品に触れるのはこれが初めてなのだが、「夢十夜」を連想したように夢語り的な、物語としての整合性よりも雰囲気重視の作品を書く人なのだろうか。どの作品にも濃厚なエロスが漂っているのも「夢」…

エターナル・サンシャイン(ミシェル・ゴンドリー)

なんというか、チャーリー・カウフマンは「臆病で自分から告白できないような男のところに、ちょっと奇矯だけどチャーミングな女の子が押しかけ女房風にやってくる」という話にオブセッションがあるとしか思えない。血の繋がってない妹が「お兄ちゃん!いい…

プリンス・オブ・ペルシャ

結局のところ、アクションが派手になった「ICO」だった。相棒システムの使い方など含めて。後だしジャンケンの強みでより洗練されている部分もあるが、その過程で失ってしまった「味わい」みたいな、システムには還元されない要素も大きいような気がした…

ラン・ダウン(ピーター・バーグ)

はっきり申し上げてあまり話題にもならず、気がついたらDVDが出ていたという印象であった。でも拾い物。「ブレーキ・ダウン」や「ニック・オブ・タイム」みたいなB級だけどA級の心意気で頑張っている作品。「スコーピオン・キング」での印象のせいか、…

ボーン・スプレマシー(ポール・グリーングラス)

ふらふらした手持ちカメラが鬱陶しい、と書こうと思ったのだが、世間で言われているほどでもなかった。確かに冒頭のマリーとのやりとりのシーンでの撮り方はちょっとやりすぎ感があって、最後までこんなだったら付き合いきれないなと思ったのだが、気になっ…