タイトルバックであからさまにモーリス・ビンダーというか007を真似しているのだけど、あまりの貧乏くささに「ウワッダサい」と思わず声が出てしまいました。
かように全体としてなんちゃって007なんだけど、監督が鈴木清順組出身だったからなのか、清順タッチのところもあったりして。でも何とかして楽しませてやろうという心意気がチャーミングで、実際面白かったです。
・都筑道夫が原作だから『殺人狂時代』みたいなのかな、というのが見てみたきっかけなんですが、あそこまでエッジは効いてなかったですね。でも遊び心は通じるところがありました。
・小林旭主演作品はあまり見てないけれど、チョウ・ユンファっぽいなと思いました。というか、もともとジョン・ウーは日活アクションを参照していたそうだから、チョウ・ユンファが寄せていたのかな。本人のキャラもあると思うけど。
・ヒロイン(松原智恵子)が他の女性と寝たことを告白した主人公を本気で殴るのがよかった。007ではあまりないけど、そうだよなと思いますよね。
・忍者ガールズなど登場して、終始面白おかしいトーンなんだけど、実は沖縄戦が背景にあったと判明して…というところに時代を感じますね。
☆☆☆1/2