ここにきてブッツァーティの翻訳(最近「クマ王国」のアニメもありましたね)が盛り上がってきているのが嬉しい。発端は光文社新訳の『神を見た犬』じゃないかな?あの本で僕も教えてもらった感じだったのです。(この流れってカルヴィーノが90年代に盛り上がったのに似てる?)
さて本書ですが、相変わらず「リーダビリティの高い夢日記的な話」と「組織というものが本質的に持つ冷酷さと社会生活の徒労感を描いた話」が多い。後者は読んでてきついし、これという救いが示される訳でもないので、なまじ前者にでてくる「得体のしれないもの」より余程怖かったりします。でもなんか読んでしまうんですよね。
今までに編まれている短編集のなかでは印象として小粒だったかな。
☆☆☆1/2