来る(中島哲也)

 侮っていた。面白かったです。底意地の悪い演出させたら中島監督は天下一品だな。というのと、真面目な話、謙虚な気持ちになりました。※

 ということで、むしろそちらがメインな気もするのだけど、ホラーとしての段取りもちゃんとしててそこもよかったですね。あと、邦画だとこういうジャンルムービーはどうしても勢いでごまかしてるのが目について、でもまあよし!(好きな分野だから)と思うことが多いのだけど、ちゃんとリッチな画面だったのが素晴らしかった。

 上手いなと思ったのは、妻夫木聡のこれまでのフィルモグラフィ(憎めないヘタレみたいな感じ)を踏まえかつ反転させる造形が絶妙なことと、「カプセルホテルから神主さん」みたいな日本でしかありえない、しかし奇妙な光景を現出させるビジュアルイメージの巧みさ。(ちょっとグレゴリー・クリュードソン風でもあり。)

 続編があれば見たいです。

☆☆☆☆1/2

※クレジットであとから知ったけど、脚本は岩井秀人が入ってるんですね。居たたまれなくなるあの感じに貢献してる気がします。