(ジェラルド・ウェイ:作, ガブリエル・バー:画)
世界中で妊娠していない女性から子どもが生まれるという異常事態が発生。天才発明家(にして実は宇宙人)ハーグリーヴズは、7人の子どもたちを引き取り「世界を救う」ため“アンブレラ・アカデミー”を設立する。しかしほどなく彼らは解散、「ヒーロー」である生活に倦んだ彼らが沈黙を守って長い時が経った・・・そんなある日・・・
『ウォッチメン』風な作りこみやダークさを期待すると肩透かしですが、そのパロディとしての『Mr.インクレディブル』を原点に引き戻した感じ。直前のコマのセリフから各話タイトルになだれこむというリズムが生むグルーヴ!そしてレイアウトのキメ方やカラリングのセンスがポップで惹きこまれます。各所で書かれているように、かなりマイク・ミニョーラ風だけど、メビウステイストもあり、のガブリエル・バーのメリハリの効いた造型は日本でも受けそうな雰囲気。※1
肝心の物語はヒーロー兄弟の確執がテーマなんだけど、「持たざる者の孤独」をもっと掘り下げてほしかったという気がしました。あまりにも不憫だよ・・・※2
☆☆☆1/2
※1私たちのようなゲーセン世代には「キャプテン・コマンド−風」といえばとおりが良いかも。
※2ところでヴィランであるホワイト・ヴァイオリンのアイディアソースはマン・レイの「アングルのヴァイオリン」ですよね。