ヒストリー・オブ・バイオレンス(デビッド・クローネンバーグ)

 公開されたときの感想を読むと「人間の本質にある暴力性を焙り出す」みたいなテーマありきで見ている人が多いような印象だった。クローネンバーグ作品だけに、ついつい観念的な視点から観てしまうのでしょうか。まあでも(いい意味で)単純にストイックなアクション娯楽作品だったという感じ。
 端的にいうと「さるマン」が説くところの「イヤッ・ボーン」効果。抑圧と開放、その後に訪れるカタルシス。ジョックスの同級生にいじめられがちな主人公の息子が、父親の暴力に触発されてついに爆発する所なんか、まさしく教科書的なまでに「イヤッ・ボーン」な展開。盛り上がることおびただしい。
 それはさておき、あんなに美人でシャレのわかる嫁がいたら楽しいだろうなぁ。そりゃ堅気にもなるだろう。デビルマン的な話は洋の東西を問わないということね。
☆☆☆☆