2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

華麗なる賭け(ノーマン・ジュイソン)

まあ(雑誌の)レオンのショーケースみたいな感じの話ですね。(←主客の関係は完全に逆ですけども。)思うにリメイクの『トーマス・クラウン・アフェア』に決定的に足りなかったのは、この作品には確かにあった「セレブシズル感」じゃなかろうか・・・そうい…

シフト

もう結構前になるけれど、仲間内でフットサルのチームを作ってたことがあって、その目的は週末に適当な運動が(ハード過ぎない程度に)できるから、というものでした。サッカーと違って入れ替わりが自由だし、ボディコンタクトも激しくないから女の子も割り…

剣鬼(三隅研次)

城の侍女が犬と交わって出来た「犬っ子」として、周囲から疎まれて生きてきた斑平。育ての親を亡くし、いよいよ独り立ちしなければならなくなったちょうどその頃、花を美しく育てるという才能を見込まれて、城内の花造り役として召抱えられる。さらにはそれ…

ソーシャル・ネットワーク(デヴィッド・フィンチャー)

あえて大胆に書くとセミ・ドキュメンタリー版『ナーズの復讐』という感じでしたね。そういう話ばかりを期待して見に行った訳ではもちろんなかったのだけど、「自信満々の温室育ちのジョックスどもに一泡吹かせてやろう」(その一方で仲間入りすることに憧れ…

河童のクゥと夏休み(原恵一)

あえてキャッチーでないキャラクターデザインを選択するなど、かなり野心的(作品の雰囲気自体は全然そういうトーンではないけれど)なつくりになってましたね。また、家族写真を2枚撮るそのインターバルにお母さんが幼い娘の髪を梳いてあげるところや、ダ…

奪い尽くされ、焼き尽くされ(ウェルズ・タワー)

新潮クレスト・ブックスの惹句は、個人的にはしっくりこないことがよくあって、この短編集も曰く「荒涼として」「ねじくれた」「根源的な怒り」、なんだけど、実際読んでみると意外とそんなことはなかったですね。むしろオフビートなユーモアでもって語られ…

トロン:レガシー(ジョセフ・コジンスキー)

芳しくない評判ばかり聞こえてくるので結構覚悟して臨んだのだけど、悪くなかったというか、むしろ積極的に楽しめました。以下感想メモです。 ・プロダクション・デザインに相変わらず『ブレードランナー』の影響を感じる(乗り物もスピナー的だし)。それは…

大忍術映画ワタリ(船床定男)

よく言えば牧歌的、悪く言えば子供だましの特撮映画なんだけど、こういう雰囲気嫌いじゃないんだぜ。というか、「冬休み(夏休み)こども劇場」みたいな枠で昔は結構この手の作品がTVで放送されていて子供心にワクワクしていた記憶があるのだけど、最近は…

狼は天使の匂い(ルネ・クレマン)

原作はタイトでソリッドな会話劇といったノワールで、個人的にはミステリのオールタイムベスト10級に好きな作品なのだけど、これは導入のシチュエーションだけ借りて、あとは殆ど映画オリジナルの作品ですね。同じデヴィッド・グーディス原作のトリュフォ…

とどめの一撃(マルグリット・ユルスナール)

夏目漱石の『彼岸過迄』を思い出しました。互いを思いながらも成就しない恋愛。そんなに卑近な話に矮小化しないで!という謗りを免れないなと思いつつあえて書くと「恋愛って、やっぱりタイミングが大切なんだよね・・・」ということですね。大学生が誰かの…

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。