トロン:レガシー(ジョセフ・コジンスキー)

 芳しくない評判ばかり聞こえてくるので結構覚悟して臨んだのだけど、悪くなかったというか、むしろ積極的に楽しめました。以下感想メモです。
・プロダクション・デザインに相変わらず『ブレードランナー』の影響を感じる(乗り物もスピナー的だし)。それはそれで美しくてよいのだけど、あの映画の呪縛というのは想像以上ですね(いいかげん誰か刷新してくれないか、という期待)。と同時に改めて映画館でまたブレラン観たい、と思いました。あれは本当に映画館でこそ映える作品なので。
・というか、オリジナルのデザインがシド・ミードなのであった。しかもブレランと同年!(メビウスも参加してたんですね。いわれてみるとなるほど「らしい」。)
・「クオラ最高」と押井守が言ってるのだけど、おかっぱ頭だけじゃなくて、むしろ生気をなくして虚ろな人形のようになった様子にこそグッときてたんじゃないかと邪推。
・しかし個人的にはジェムに翻弄されたい気分だった。
ロトスコープ・アーティストというクレジットがあって、このデジタルの時代に?と思ったのだけど、VFXの技術上の名称でもあるんですね。でも今回に関して言えばコスチュームの光ってるところ担当じゃないかしら。
・オリジナルでは、ライトサイクルをはじめとするバトルは「アーケードゲームのプレーヤー機を主観で見ると」という設定だったので、現実世界で俺がしくじる度に人が死んでるのか、怖えぇ・・・ってなったのだけど、今回は誰がためにプレイしてる設定なのか?それはさておき、考えてみたら『マトリックス』みたいなハッキングとセキュリティプログラムの擬人化というのは『トロン』で既にやってた訳ですね。
・ゲームのトロンといえば、ぴゅう太。まだ実家にあります。
・「人間に造られたもの」の切なさでご飯3杯いける僕なので、当然クルーの顛末には泣けた。
・しかし、もっといえばクルーとトロンの変貌は、脚本の工夫次第で「ミッション:インポッシブル」なみに(オリジナルとの落差で)ショッキングに出来たと思う。
・結論、3Dはもういいよー・・・
☆☆☆1/2
※オリジナル、オリジナルって書いてるけど、うろ覚えのノベライズ版の知識で書いております。これから借りて見る予定。