2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ニノチカ(エルンスト・ルビッチ)

ツンデレ及びそれに萌える気持ち、というのは最近になって発見された概念「ではない」、というのがよく分かる映画でした。しかも驚くべきことに、深夜アニメ的な世界観(直截的にはエロゲー?)において定番※1である、タイムスリップしてきた未来人とか、異…

拳闘士の休息(トム・ジョーンズ)

巻末の訳者あとがきでも触れられていますが、「崖っぷちに追い詰められたときの、傷ついた人間の一瞬の光彩」を鮮やかに切り取った短編集。ブコウスキーの作品のような「俗性を極めた先に垣間見える聖性」のようにも思われたし、タフな語り口はヘミングウェ…

ヤフーがちょっとどうかしてる件について

以前「たけくまメモ」で竹熊さんが、プロバイダの解約をしようとするだけで、延々要領を得ないやりとりをさせられて大変な目にあった、という話を書いていたけれど、それを読んだときは(正直他人事だったこともあり)、そういうこともあるんだな、と思った…

乱反射ガール(土岐麻子)

ラジオで流れている曲でサビになった瞬間「あ、これ、あのCMの曲だったのか!」ってなることがあると思うのだけど、とりわけ「そうなる」歌というのは、サビへの展開がやや唐突なものではないでしょうか?このアルバムでいうと「熱砂の女」を聞いていて「…

モーム短篇選〈下〉(W・S・モーム)

いみじくも解説において、作家の作風をチェーホフ派とモーパッサン派に大別しているのだけど、前者は物語に大きな起伏がない代わりにしみじみした余韻を残すもの、後者はプロットのツイストに重きを置くもの、という要旨。確かにモームは後者なんですよね。…

死神を葬れ(ジョシュ・バゼル)

昨年結構話題になっていたノンストップ医療?アクション。実際に読んでみたら、ストレートな活劇というよりは余談と注釈が本文を乗っ取る勢いという、チャック・パラニュークを彷彿とさせる作品でした。(明示されている訳ではないけれど、「教授」の存在が…

告白(中島哲也)

感想を先に言えば受け入れ難かった。作品に懸けられた熱量は半端じゃないし(あんな細かいカット割り、素材を撮り上げることを考えただけでも気が遠くなる)、演出は憎らしいほど上手い(松たか子のポテンシャルをギリギリまで引きずり出したファミレス後の…

アイアンマン2(ジョン・ファヴロー)

「派手になったけど、前作ほどではない」とか「スカーレット・ヨハンソンは何のために出てきたの?」とかマイナス事前情報があったお陰で、期待値が低くなっててかえって楽しめたかも。結論から言うと、やっぱりちょっとだけ前作に及ばず、という印象。以下…

轢かれ逃げ

おれパパのテラヤマアニさんがこの記事http://d.hatena.ne.jp/kowagari/20100610で書かれているように、僕もバイクに撥ねられた時に全力で逃げようとしたことがあります。中学生の時。(怒られたらどうしようという気持ちだったような気がするな・・・) 母…

最高殊勲夫人(増村保造)

若尾文子がとても可愛らしい。なるほどスタアだなあと思います。本当にチャーミング。確かに惚れるわー。(フィルモグラフィ的にはディープサイドの方が評価されがちなのかな・・・) 話はこれ以上ないくらいベタなラブコメなんだけど、さすがに増村作品だけ…

無ケーカクの命中男/ノックトアップ (ジャド・アパトー)

TVのエンターテインメント番組で制作アシスタントを務めるアリソンは、昇進の内示をもらったその日、浮かれ気分もそのままにクラブに繰り出す。そこで知り合ったのは、映画サイトでの起業を夢見るハッパ好きの自由人ベン。その後、覚えのない体調不良に不…

2012(ローランド・エメリッヒ)

長い長い『ポセイドン・アドベンチャー』みたいな展開。ディザスター映画とは端的にそういう形式をとる作品、といえなくもないけれど(終盤の主人公チームのマッチポンプぶりはすごかったねえ・・・)。評判になっていたように、当分この作りこみを超えるこ…