乱反射ガール(土岐麻子)

乱反射ガール
 ラジオで流れている曲でサビになった瞬間「あ、これ、あのCMの曲だったのか!」ってなることがあると思うのだけど、とりわけ「そうなる」歌というのは、サビへの展開がやや唐突なものではないでしょうか?このアルバムでいうと「熱砂の女」を聞いていて「あ、これ、あのCMの曲だったのか!」ってなったのですが、実はビタイチなにかとのタイアップ曲ではないという。
 実は土岐麻子宇多丸のウイークエンド・シャッフルにゲスト出演した時に「資生堂のCM的な世界観」への憧れを語っていたことがあって、これがつまりそれの具現化したものだったのか、と得心した次第。(ジャケットもそれ風ですよね。)特に頭の3曲がそのものズバリだったので、そういうコンセプトアルバムなのかと思ったのだけど、中盤の(CM風でもない)80年代シティポップライクな曲を経由して、マイケルのカヴァーまで、というよく言えばカラフルな、意地悪な言い方をすればちょっと散漫な感じもするアルバムになっていました。
 それでもどの曲も大好きなんだけど。惜しむらくは「フラミンゴ」のようなシングルらしいキラー曲がなかったことかなあ。
☆☆☆☆1/2
と、鬼の首を取ったように書いてみましたが、インタビューでばっちりその旨を自身で語っておられました・・・http://tower.jp/article/interview/65241