ナイル殺人事件(ケネス・ブラナー)

 ミステリにおける登場人物はつまるところ駒であって、人間ドラマは展開のための「設定」なのであまり本気で見ても仕方がないのは分かっているのだけど、見終わった後にどうしても「あれ、そしたらそんな回りくどいことしなくてもよかったのでは?」と思ってしまいますね…(そこを突破するだけの脚本もしくは演出力がなかったともいえる。例えば『ナイブズ・アウト』はまあ無理もあったけどいいか、となったので。)

 個人的に飲み下しにくかった点は、ポワロが想いを寄せる人物(というかその設定自体)と所謂ヘースティングズのポジションの人が犯罪に手を染めるところ。それってどうなのかな?(この映画での原作からの改変点なので。)

 それとCGのクオリティがゲーム並みに荒いところがあって、最近の高精細なCGセットに慣れた目からすると物足りなかった。こういうオールスター映画って旅行映画でもある訳だから、そこは手を抜かないでほしかった。なんでもエジプトでの撮影はゼロだったらしいのでロケすればよかったのにと思いました。

☆☆☆