アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(ジェームズ・キャメロン)

 クジラ漁ダメぜったい、という展開で、もう、ちょっと見続けられませんでした。

 「トゥルクンはとても高度な知性を持った生命体で(故に尊重しよう)」というんだけど、逆に「知的でない」と見做したらその生き物はどうなってもいいということなんですかね?と思うし、「他の文化は尊重しよう」というテーマを謳っている作品の中で、「牛は食べるけどクジラ食は野蛮です」なんて同じ口でよくいえるよな、と思いました。※

 考えてみたら前作も「白人酋長もの」であることに目をつぶってまあ面白かったよね、という作品だったし、一事が万事独善的なつくりなのかもしれない。もうちょっと穏当な言い方をすればキャメロンが無邪気すぎるのかな。スコセッシの『沈黙』が自らのアイデンティティに向き合ってギリギリとストイックに宗教と布教の問題を問い直していた誠実さ(それでいて日本描写はフェアだったこと)を考えるとちょっと認めがたいな。

☆☆

※ まあキャメロンはヴィーガンらしいけど。