よくこんなアンチクライマックスな物語に大予算をかけたなと思いました。小説『白鯨』のバックグラウンドという体裁だけど、その枠物語もフィクションでしたね。原題はIn the Heart of the Seaであるように、何かに憑かれた男が人の力の及ばぬ自然領域に足を踏み入れて、やがて我を失ってしまうという大海原の『闇の奥』ということなんだと思います。
ところで、実話ベースだから仕方ないとはいえ、結末では男気ロマンを謳っていたけれど、そもそも考えてみたら「判断ミスでとんでもないことに…」という話だから共感はしにくかったかな(だからこそ最低限正直に、ということではあるんだけど)。意地を通さずにお金をもらった方がみんな幸せになったと思うのだけど。
☆☆☆1/2