サンダーボルト(マイケル・チミノ)

 タイトルだけだと骨太の男臭いアクション風だけど、原題は『Thunderbolt and Lightfoot』でして、実は男二人の名前(愛称)ということで、肩の力の抜けたロードムービーなのだった。
 アオリで撮られた抜けるような青い空が印象的。男同士の友情を超えた微妙な感情がよく出ていて、チミノ作品という先入観で観たらちょっと意外なストーリーでもある。
 しかし何より(ネタバレ気味でもあるけど)結末の70年代テイスト!「ニューシネマ的結末」というのが教科書の標題にあるなら、もってこいのサンプルというか、もっと言うと余りに定番な展開で(映画ズレした現代の目で観ると)ショートコントみたい。でもしみじみいい映画であります。こういう雰囲気でみせる作品はもうアート系のカテゴリーじゃないと撮れないのかなあ。
☆☆☆1/2