正直、深津絵里のPVを2時間半も見せられても・・・という感想。ここから先も厳しいことしか書きませんので、気持ちよく楽しまれた方は読まないでください。
割と深津絵里は「嫌いな人なんているの?」という言い方をされる女優さんだと思うのだけど、僕はまさに彼女の持つ「嫌いな人なんているの?」と評されているのであろう雰囲気が苦手で。だから初めからバイアスの掛かった鑑賞姿勢であったことは割り引いてもらうべきなのかもしれません。
しかしどなたかも書かれていましたが、前後の脈絡の妙で笑わせるべきところを、苦しくなったら我慢できずに役者のオーバーアクトで逃げ切るような演出姿勢も如何なものかと言わざるを得ない。(けれども、それでまんまと笑わされているおじさんおばさんもたくさん見受けられたので、それはそれで需要と供給が一致しているのかも知れず。)
ところが、そういう力技でなんとかしてやろうというスタイルは、肝心要の殺人事件解決のプロセスにまで及んでいて。被害者を幽霊として召喚できるんだったら何でもありじゃないでしょうか。この作品に求められている展開(というか予告編から当然期待される物語の方向性)は、落ち武者の幽霊のみ舞台に上げられるという「しばり」を工夫した上で、落ち武者という要素を使って論理的に真犯人にたどり着く、ということだったと思うんだけどなあ・・・監督が深津絵里を好きなことだけはよく分かりました。だったら「ステキな深津絵里」でいいじゃない。
☆☆1/2