ぼくの伯父さん(ジャック・タチ)

 初ジャック・タチ。噂には聞いておりましたが、画面(というか世界?)コントロールへの執着は尋常じゃない。けれども実際にやっていることは、しょーもないといえばしょーもない小ネタ集というのがいいですね。畳み掛けられるうちについクスリとしてしまう、という按配は、三木聡作品にも相通ずるものがあるような気がしました。
 それにしても、一族の鼻つまみ者の「おじさん」が主人公の少年(少女)にだけはなつかれて、という話は一種の典型だったのに最近パッタリみませんね。やはり弱肉強食の世知辛い世相を反映しているのかしらん。(辛うじて生息しているのは山田洋次作品くらいかな・・・そういえば『サマーウォーズ』ではそういう世界観構築のために意図的に導入されていたような。)主人公の両親のエクストリームな俗物ぶりがとても笑えます。最後にほのぼのするところも良い。
 ともあれ、次は『プレイタイム』を見てみよう。
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