80年代とは何ぞや?、のサンプルとして非常にわかりやすい映画だと思う。想像してたほど恥ずかしくなかった、と書きたかったけれど、やっぱりすごく恥ずかしかった。当時を冷静に振り返れる日はくるのだろうか・・・
とかいいながらリアルタイムでは中学生で、友人宅でお菓子とジュース片手にレンタルビデオでの鑑賞だった訳ですが。とにかくまず面子がジャスト80’s。コリー・ハイムとコリー・フェルドマンという当時『ロードショー』とか『スクリーン』あたりでアイドル扱いだったWコリーとかキーファー・サザーランド。それに(まだカミングアウト前の)ジョージ・マイケル風の髪型のせいで今まで気がつかなかったけれど、実は主人公の兄役で出演してたジェイソン・パトリックとか。それ以外にも「当時はよく見かけたのにねぇ・・・」という人がたくさん出ていて懐かしかった。
ファッションや髪型や音楽がまたどうにも80年代。あと移動手段がBMXね・・・。当時についての論考はたくさんあると思うけれど、どうしてあんなに独特だったのか不思議でならない。けれども、ひょっとしたら60年代、70年代の文化風俗はリバイバルを経て、当時の方法論が現代風に再解釈されてきたなかで(2000年代)リアルタイムのものとのギャップが解消されたけれど、結果として取り残された80年代だけが違和感が解消されないままポッカリ突出しているだけなのかもしれないですね。
それはさておき、中学当時の鑑賞では、ものすごい空中戦が展開されたり、ヴァンパイアとガキどもの大バトルがあったように記憶してたんだけど、見直してみるとそうでもなかった。当時の観客がいかにウブだったかということでもあるけれど、今みたいにCGですべて見せてしまう前は想像で補完してたんですね。本当にここぞというところでしか特殊メイクは使ってないし、飛行シーンなんかカメラワークのみで飛んでますと言い切ってるし。
それにしてもジョエル・シューマッカーは本当になんでも撮る職人監督なんだな。『セント・エルモス・ファイア』の次がこれとは・・・フィルモグラフィが見事に一貫してないもん。なんでも撮れるってある意味素敵やけど。
☆☆☆