アイスロードという実在する事物を発見して、この舞台立てで『恐怖の報酬』※ができるんじゃない!?というのが発想のもとだったような気がします。そこから危機を設定する工夫は凝らされていたと思うのですが…悪役側の行動原理がリスクとベネフィットに見合ってるのかな…と引っかかってしまって。そんなのは映画の話のための方便だろ!とは分かっているのだけど。なまじ持って回った理屈だったから、いっそお金のためとかの方がよかったのではないかな。
ところで監督の『パニッシャー』が僕は大好きです。この映画もしかり、予算は限定的かもしれないけれど、映画に映る景色以外にも世界が広がっている(人間の営みがある)、という感じがするんですよね。ものすごくお金のかかった作品でもそうとは感じられないものは幾らでもあるので、「監督する」ことの技量って不思議だなと思います。
☆☆☆1/2
※『恐怖の報酬』がインスパイア元というのは監督も言及していますが。