シン・ウルトラマン(樋口真嗣)

 トータルでは『シン・ゴジラ』より好きかもしれません。期待してたより面白かった。ほどほどいい感じにリッチな特撮もあって映画らしさがあったのがよかった。(ネタバレします。)

スタジオカラーウルトラマンの効果音がキャッチになっているので、初めて内実と一体になりましたね。

・セリフ回しが例の庵野節なので、やっぱりそれしか引き出しがないのだな、と思った。

・最初実相寺レイアウトが出てきた時は、まあやるよね、と思ったけど、最後辺りはまだやるのか、と思った。

・隙あらば武装化しようとする国のあり方について批判的視点を投げかけていた物語だったので、なかなか肝が据わっているなと思いました。

ウルトラマンの何を考えているのか分からない感じ(宇宙人らしい得体の知れなさ)に幼い頃(言語化できないまま)惹かれていたので、その雰囲気が大事にされていた気がして嬉しかったです。場面でいうと、重力を無視して縦に回転して怪獣を弾き飛ばすところとか、ゾーフィの初登場の幽霊っぽさ。

・でも一番よかったのはウルトラマンと怪獣がただ戦っているところ。訳もなく涙がでてきて理由が自分でもよく分からなかった。それが映画の醍醐味だと思うので、やはりこの作品を評価しないわけにはいかないと思ったのでした。

☆☆☆☆