コリーニ事件(マルコ・クロイツパイントナー)

 手堅くまとめた印象。カチャカチャしたカメラも散見されるので、もっとじっくり撮ってもよかったのではと思いました。とはいえ、最後のシーンには泣かされました。原作者のシーラッハはナチス高官の孫なので覚悟のほどがすごいですよね。

 ところで、コリーニが黙秘を続ける合理的な理由がないのはやはり不自然さを感じました。(小説なら気にならなかったのかな。)いまさら命が惜しいものか!ということかもしれないけど、最初から自分の思いを訴えて世に問うたらよかったのに。となると、サスペンスの醸成という作品の都合としか思われなかったんですよね。

☆☆☆1/2